亮的閑話 第130回 ＃ババババンビの赤色と白色にみる絶妙な関係
11月最後のラジオiNEWSは、＃ババババンビの小鳥遊るいさんと岸みゆさんが来てくれた。事前に聞いていた情報では、しっかり者の小鳥遊さんが岸さんをサポートする形で，番組は進むだろうとのことだった。ファンの皆さんからのメッセージでは、小鳥遊さんが岸さんの通訳なのだという。初め通訳の意味がわからなかったが、番組が進行する中で、「これか！」と思うシーンがいくつかあった。
岸さんは感性の人だ。感受性が鋭いと言ってもいい。例えばニュースの解説を聞いて、中身はよくわからないが、だいたいこういう方向の話なのだろうという理解は間違えない。
小鳥遊さんは理性の人だ。理論的な思考に長けた人だ。岸さんが感性に任せて発するひと言を、小鳥遊さんが論理立て、わかりやすく説明してくれる。
ことわざと四字熟語を混同しても、その細部が間違っていても、伝えたい中身は伝わるし、それを横から追加補足、説明してくれる。岸さんと小鳥遊さんを見ていて、実にいいコンビだなと感心した次第だ。
赤色担当の岸さんと白色担当の小鳥遊さん。この２色が並ぶ様は古来、日本ではめでたさの象徴だった。源平合戦以来、運動会に至るまで、赤白２つの色は、立ち位置を鮮明にする組み合わせだ。そして赤色と白色が融合すると、鮮やかなピンク色になる。バンビでも赤と白がふれ合い、混じり合うことで、アイドルらしいピンク色の世界観が醸し出される。これはバンビにとって大きな魅力になっているのだろう。
番組が終わり、スタジオを後にする２人の後ろ姿が微笑ましかった。身長が同じくらい、この日の装いも同系のトーンで、このワンシーンだけみても、絶妙な間柄だなと、ほのぼのした気持ちになった。
バンビはこれから福岡、札幌など全国ツアーの後半戦を迎える。３月には待望の武道館ライブがある。この日のおっとりした２人の雰囲気と、馬鹿騒ぎというワードの間に、どうにも乖離があるのだが、果たしてどんなライブになるのか、是非この目で見てみたい。
（日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)
