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NIKKEIで深読み 中国経済の真相

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習近平氏がトヨタ会長らにほほ笑んだワケ

日本経済新聞編集委員で前の中国総局長の高橋哲史氏が、中国の政治経済を音声で読み解く番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」。今回は伊藤忠総研社長でチーフエコノミストの武田淳さんにお話を伺いました。
※2025年4月2日収録

この記事は株式会社PKUTECHのAI音声認識ソリューション「Egeria-Voice」の
音声文字起こし・要約機能を活用しています。

Topics from China


中国国有大手4行、資本増強10兆円 不動産リスクを抑制

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高橋氏:

中国は深刻な不動産不況に見舞われていますが、日本のバブル崩壊後に比べれば金融システムの健全性はまだ保たれていると見られています。

今回の国有銀行を対象にした資本注入は、あくまで予防的な措置と考えられますが、不動産不況がさらに深刻化すれば、デベロッパーの破綻が相次ぎ、金融システムに波及するリスクが高まることは間違いないと思われます。

資本注入は、当局がそうした事態を警戒している表れであり、また、金融緩和による利鞘の縮小が銀行の経営を圧迫するため、国有銀行の経営を支援する狙いもあると考えられます。

武田氏:

中国の金融システムは、日本のバブル崩壊後の90年代後半と比べるとまだ健全です。

日本はバブル崩壊後、10年近く不良債権の抜本的な処理を怠り、その結果として金融危機に陥りました。

中国の今回の措置は、経済成長のための資金供給拡大と金利低下による銀行の体力低下を避けるための表向きの目的がありますが、実際には不良債権の先送りを避けるための早めの手を打っている可能性があります。

日本のように大手行に資本注入を行い、不良債権処理と並行して過剰債務問題を抱えた会社の整理処理を進めるプロセスを踏む可能性があり、今回の資本注入はその準備段階と見られます。

メキシコの「脱中国」加速 宙に浮くBYD進出

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高橋氏:

トランプ第一次政権でアメリカと中国の貿易戦争が激化し、中国の製造業はアメリカに直接進出するのを避け、メキシコでの生産を増やしてきました。

しかし、第二次トランプ政権が発足し、メキシコからの輸入品に対しても高い関税をかけ始めたため、メキシコはアメリカへの輸出拠点として機能しなくなりつつあります。

BYDもメキシコ工場の計画を凍結し、トランプ氏がメキシコに25%の関税をかけると表明したのは、中国製品がメキシコ経由でアメリカに入るのを防ぐ狙いがあったと考えられます。

日本の自動車メーカーも大きな打撃を受けることが避けられません。

武田氏:

トランプ関税が世界経済に及ぼす影響について、どの試算を見ても一番影響が大きいのはアメリカであり、GDPが1%から2%押し下げられるとされています。

アメリカ経済が景気後退に入る可能性もあり、最初に来るのは関税によるマイナスの影響です。

次に影響が大きいのは中国で、GDPの1%弱の下押しが予想されています。

アメリカと中国がダメージを受けることで、世界経済全体としてもマイナスになると考えられます。

日本の株価の売られ方は行き過ぎであり、アメリカの株価が戻している中で日本の株価が下がったままなのはバランスが悪いと感じます。

中国、ネット安全法の改正案公表 国家安全へ罰則強化

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高橋氏:

習近平政権はインターネット安全法、データ安全法、個人情報保護法のネット三法を施行し、ネット統制を強化しています。

ネット上のあらゆる情報は中国共産党の管理下にあり、自由な発言やデータの共有が制限されています。

外国人も例外ではなく、中国で活動する外国人はネット上での発言やデータの移転に最新の注意を払わなければならず、法律違反とされるリスクがあります。

武田氏:

北京に行った際、名刺交換がWeChatで行われることが多く、名刺を持っていない人が増えていることに驚きました。

WeChatは監視されていると言われており、私はWeChatを入れていないため、名刺交換ができず不自由を感じました。ネット規制がビジネスに影響を与えていると感じます。

本編


中国、外資撤退の歯止め急ぐ 習近平氏が経営者らと会談

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高橋氏:

習近平国家主席が3月28日に開いた外資企業との懇談会には、トヨタ自動車の豊田章男会長や日立製作所の東原敏昭会長が参加していました。

トランプ大統領が自動車に対する25%の追加関税を発表した直後に、習近平氏がトヨタの会長と会ったことは象徴的です。

トヨタは上海にレクサスのEV工場を建設する計画を発表しており、トヨタの中国に対する本気度が伝わってきます。

外資の中国離れの動きを止めたいという習近平氏の思いも強いと感じます。

武田氏:

トヨタと日立に共通する点は、グローバルにビジネスを展開し、中国でもしっかり稼いでいること、高い技術を持っていることです。

トヨタはサプライチェーンが米中デカップリングできており、米中対立の影響を受けにくいです。

中国市場を外す選択肢はなく、中国政府と目指す方向を合わせることが重要です。

外資の中国離れの動きは、米中対立の影響を受けにくい分野、特に消費財やサービス分野では歯止めがかかると考えられます。

中国市場は成長の余地が大きく、消費マーケットはまだまだ拡大の余地があります。

日本企業にとってはチャンスが多い分野です。

番組の感想はXで をつけてポスト!次回は2025年4月10日の配信です。お楽しみに!

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