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NIKKEIで深読み 中国経済の真相

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習近平政権はデフレを回避できるのか

日本経済新聞編集委員で前の中国総局長の高橋哲史氏が、中国の政治経済を音声で読み解く番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」。今回はアジア・パシフィック・イニシアティブ シニアフェローの徳地立人さんにお話を伺いました。
※2025年2月26日収録。

この記事は株式会社PKUTECHのAI音声認識ソリューション「Egeria-Voice」の
音声文字起こし・要約機能を活用しています。

Topics from China


中国、外資の株式投資を緩和 融資規制を撤廃

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高橋氏:

外国企業の中国離れが急速に進んでいる状況です。

中国当局の調査によると、2024年の外資企業の中国への直接投資額は2021年と比べて99%減少し、45億ドルにとどまりました。

中国経済の先行きが見通せないことが大きな要因ですが、反スパイ法の強化で外資企業への監視が厳しくなり、中国に駐在したいと希望する人が少なくなっていることも影響しています。

トランプ政権の関税政策次第で、外資の中国離れはさらに進む可能性があります。

徳地氏:

外資の対中投資の急減には2つの理由があると考えています。

1つは中国とアメリカの関係が地政学的な理由で緊張が高まっていること、もう1つは中国経済の成長が鈍化していることです。

さらに、中国国内の競争が激しくなり、中国企業が強くなっているため、外資の中国投資の旨味が昔と比べて大きく下がっていると感じます。

AIサービス進む「分断」 DeepSeek中国で普及、欧米制限も

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高橋氏:

中国国内ではDeepSeekを作った創業者が英雄のように扱われています。

アメリカに留学経験のない若者たちが開発した国産AIとして、中国共産党も中国の優位を宣伝する材料に使っています。

習近平政権に変化の兆しが見られ、民間企業の活動を締め付けてきた姿勢が変わりつつあるようです。

先週もお伝えしましたが、習近平氏は中国のビッグテックの創業者らを集めて座談会を開き、アリババのジャック・マーさんと握手して話題になりました。

徳地氏:

DeepSeekショックは世界に大きなインパクトを与えました。

安く早く誰でもアクセスできるオープンソースのAIが市場をリセットする可能性があります。

中国は技術者、データ、ユーザーが多く、特定の分野に特化したアプリケーションの開発競争で強みを発揮しています。

中国政府がAIプラス産業という政策を進めており、これが加速度的に進んでいる現状です。

ただし、ハイエンドの半導体が必要なくなるわけではなく、この分野ではアメリカが依然として強いです。

習近平氏の民間企業に対する態度も変わり、若者の失業問題がクローズアップされているため、民間企業を大事にすることが重要だと認識されています。

米国務省が中国の呼称変更 「中華人民共和国」使わず

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高橋氏:

トランプ第一期政権で国務長官を務めたポンペオ氏が、中国国民と中国共産党を分けて考えるべきだと主張し、中国のことを中国共産党と呼び続けたことを思い出しました。

中華人民共和国という呼称を使わないことは、習近平氏にとって受け入れがたい問題だと思います。

アメリカは国務長官のマルコ・ルビオ氏が主導する形で、台湾独立を支持しないという文言を削除するなど、中国が嫌がる措置を立て続けに出しています。

トランプ大統領はウクライナ和平をめぐってロシアのプーチン氏に急接近しており、中国との関係をあまり重視しなくなったのではないかと感じます。

徳地氏:

中国にとってレッドラインは2つあります。

1つは中国共産党を否定すること、もう1つは台湾の帰属の問題です。

アメリカの政権内にはそのレッドラインに挑戦しようとする動きがあることは間違いありません。

中国といった場合、多くの台湾人も含めて中国の下に大陸があり台湾があるという認識です。

中華人民共和国は台湾を一度も統治したことがないため、台湾独立をサポートする動きであるならば、中華人民共和国を使用し続けても問題はないと思います。

ロシアの問題についても、アメリカがロシアと中国の関係にくさびを入れようとしていることは間違いありません。

中国もそれに気づいており、アメリカとロシアの関係が近くなるほど、中国はロシアに対してラブコールを送る状況です。

本編


中国副首相と米財務長官が協議 双方が深刻な懸念表明

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高橋氏:

米中関係が緊迫している中で、米中の経済担当のトップが初対話をしましたが、中身はほとんどなかったようです。

第二次習近平政権では副首相の劉鶴氏がアメリカのイエレン財務長官と信頼関係を築いていましたが、劉鶴氏が退任した今、その穴は大きいと感じます。

何立峰副首相が習近平氏をどこまで代表できるのか、アメリカ側にネゴシエーションができる相手だと思わせることができるかが重要です。

徳地氏:

何立峰氏が習近平氏を代表できるかどうかについてはあまり懸念はありません。

アメリカのトップ関係者は関税重視派が多く、タフなネゴシエーションになることは間違いありませんが、最終的に決定するのは両首脳です。

アメリカ側はウクライナの問題や中東の問題、国内の問題など多くの課題を抱えており、中国との関係をすぐに悪化させる条件がまだ整っていないと感じます。

米中関係の緊張は構造的で長期的なものであり、これから悪化していってもおかしくはないと思います。

番組の感想はXで をつけてポスト!次回は2025年3月6日の配信です。お楽しみに!

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