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NIKKEIで深読み 中国経済の真相

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香港が輝きを取り戻す日は来るか

日本経済新聞編集委員で前の中国総局長の高橋哲史氏が、中国の政治経済を音声で読み解く番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」。今回は立教大学教授の倉田徹さんにお話を伺いました。

※2025年2月19日収録。

この記事は株式会社PKUTECHのAI音声認識ソリューション「Egeria-Voice」の
音声文字起こし・要約機能を活用しています。

Topics from China


香港株に「DeepSeek相場」 海外勢回帰でアリババ4割高

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高橋氏:

中国のAI企業DeepSeekが登場して以来、香港の株式市場に資金が集まっている状況です。

香港ハンセン指数の昨年末から先週末までの上昇率は1割強に達し、米ナスダック総合株価指数や日経平均株価と比較しても突出して大幅な上昇を示しています。

特にテック関連株が上がっており、アリババ集団、シャオミ、テンセント、BYDなどが大幅に上昇しています。

中国経済や香港経済は依然として厳しい状況ですが、ミクロで見ると元気の良い企業が多く、DeepSeekの登場で注目が集まり資金が流れ込んでいると考えられます。

倉田氏:

香港株の上昇は昨年末から見れば確かに上がっていますが、2018年のピーク時と比べるとまだまだ低い水準です。

上がっている株も中国のテック関連が中心であり、香港経済自体は依然として厳しい状況です。

2019年のデモや2020年の国安法、ゼロコロナ政策の影響で外資の撤退や人材の流出が続いており、香港のGDPは2018年と比べてマイナス成長となっています。

IMFの先進経済41カ国中、成長率は40番目であり、長期的には苦しい状況が続いていると言えます。


習氏、アリババ馬氏らと座談会 民間企業支援を強調

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高橋氏:

習近平国家主席がアリババのジャック・マー氏らと座談会を開いたことは、中国共産党と民間企業の関係において重要な転換点と見られます。

ジャック・マー氏は表舞台から姿を消していましたが、今回の座談会で再び登場し、習氏と会談したことは、アリババに対する締め付けが緩和される兆しと受け取られています。

これにより、アリババ株が急上昇するなど、市場にもポジティブな影響が見られました。

習氏が民間企業支援を強調した背景には、中国経済の厳しい現状があり、民間企業の活力を取り戻すことが急務とされています。

特に、テック企業の成長が中国経済の再生に不可欠であると認識されているようです。

倉田氏:

中国共産党と民間企業の間には常に緊張関係が存在しており、特にジャック・マー氏のような影響力のある企業家は、政権にとって潜在的な脅威と見なされてきました。

しかし、経済の現実を踏まえ、共産党政権も政策を調整し始めたと考えられます。

習氏が民間企業の困難な状況を認め、支援を表明したことは、経済の転換期における一時的な現象と捉えられています。

特に、ハイテク分野での成長が期待されており、これが中国式現代化の一環として進められています。

ただし、民間企業全体の浮揚にどこまでつながるかは、今後の政策次第であると考えられます。

中国外相、対中封じ込め「受けて立つ」 米国をけん制

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高橋氏:

アメリカのトランプ政権が中国製品に対する追加関税を発動し、貿易戦争が始まっている状況です。

トランプ大統領と習近平国家主席の間で何らかのディールが成立する可能性もありましたが、現時点ではそのようなニュースは出ていません。

逆に、トランプ氏はロシアのプーチン大統領との関係を優先しているように見えます。

アメリカの国務省が台湾独立を支持しないという文言を削除したことも、中国を刺激する行為であり、トランプ政権の軸足が中国からロシアに傾いている印象を受けます。

倉田氏:

トランプ大統領はプーチン大統領との関係を優先しているように見えますが、これはトランプ氏の性格やアピールする実績を早く作りたいという意図があると考えられます。

中国との関係は複雑であり、経済的な相互依存も強いため、目に見える成果をすぐに出すのは難しい状況です。

トランプ政権には対中強硬派のルビオ国務長官がいるため、中国に対する強硬姿勢は続くと見られます。

また、香港がアメリカをWTOに提訴した動きも、中国と香港を同一視するアメリカの政策に対する反発と捉えられますが、WTOの力が弱いため、アメリカが応じる可能性は低いと考えられます。

本編


香港の機関、独自の世論調査を停止 後退する言論の自由

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高橋氏:

香港民意研究所が独自の世論調査を無期限で停止することは、香港の言論の自由が一段と後退していることを象徴しています。

香港国家安全維持法が施行されてから、言論の自由が急速に失われており、今回の世論調査の停止もその一環と見られます。

香港の言論状況は非常に厳しくなっており、自由な意見表明が難しくなっています。

倉田氏:

香港民意研究所は1990年代から活動してきた機関で、香港の世論調査を行ってきましたが、政府や共産党寄りのメディアからの批判や圧力を受け続けてきました。

特に、香港人のアイデンティティや天安門事件、台湾独立に関する調査は政府にとって非常にセンシティブな内容であり、これが調査停止の背景にあると考えられます。

国境なき記者団の報道の自由ランキングでも、香港は国安法施行後に急落しており、言論の自由が大幅に制限されています。

香港の金融センターとしての地位は依然として強固であり、経済的なインフラや人材が整っているため、金融機関の撤退は見られません。

しかし、長期的には言論の自由がない中で経済の自由が維持されるかどうかは疑問が残ります。

経済の発展には最低限の言論の自由が必要であり、香港が今後どのように変わっていくか注視する必要があります。

番組の感想はXで をつけてポスト!次回は2025年2月27日の配信です。お楽しみに!

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