
習近平氏は台湾統一を絶対にあきらめない
日本経済新聞編集委員で前の中国総局長の高橋哲史氏が、中国の政治経済を音声で読み解く番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」。今回は大東文化大学教授の鈴木 隆さんにお話を伺いました。
※2025年2月12日収録。
音声文字起こし・要約機能を活用しています。
Topics from China
習指導部、知米派少なく トランプ関税発動止められず
高橋氏:
トランプ大統領は当初、中国と24時間以内に協議すると話していましたが、結局中国とのディールは成立せず、貿易戦争の第一ラウンドが始まりました。
トランプ氏と習近平氏は頻繁に電話で話しており、個人的な関係は良好ですが、問題はその下のレベルです。
現在の中国指導部にはアメリカと深いパイプを持つ人物が少なく、アメリカ留学経験者などの知米派がほとんどいません。
かつては劉鶴氏のようなアメリカ留学経験者が政権の中枢にいましたが、2022年の中国共産党大会後、ほとんど引退したか政権の中枢から外されました。
習近平氏はアメリカとの交渉を自分が全てトランプ氏と行うという姿勢を見せていますが、これは危うさも感じます。
鈴木氏:
習近平氏はアメリカ留学経験者やエスタブリッシュメントをあまり好まないようです。
彼は末端の中国社会で苦労した経験を持つ人を引き上げたいと考えており、劉鶴氏もその一例です。
劉鶴氏はアメリカ留学経験があり、経済政策の立案で大きな影響力を持っていましたが、習近平氏にとって重要なのは長い時間を共有した信頼できる側近です。
現在の筆頭副首相も習近平氏と長い時間を共有しており、留学経験はないものの、信頼関係が重視されています。
中国がパナマ大使呼び出し 「一帯一路」離脱で厳重抗議
高橋氏:
パナマが一帯一路からの離脱を表明し、中国は激しく抗議しました。
トランプ大統領はパナマ運河をアメリカに返せと主張し、パナマの大統領が一帯一路からの離脱を表明した背景には、アメリカの圧力があったと考えられます。
一帯一路は習近平氏の肝入りプロジェクトであり、パナマの離脱は習氏にとってメンツを潰される話です。
報復関税の発動もこの一件が影響している可能性があります。
鈴木氏:
一帯一路は中国共産党の党規約にも文言が入っている重要なプロジェクトであり、パナマの離脱は非常に不愉快な出来事です。
パナマは台湾と深い関係があり、中国はパナマを自分たちの側に引き寄せることに成功していましたが、今回の離脱は台湾問題にも関連しており、中国にとって非常に不愉快な出来事です。
パナマの離脱が報復関税の発動に影響を与えた可能性は高いです。
本編
習氏「抗日戦勝80年、共に記念を」 韓国国会議長に促す
高橋氏:
中国はトランプ政権の発足を受けて日本との関係を改善しようとしていますが、一方で韓国に対しては歴史問題で共闘しようとしています。
中国はアメリカと日本、韓国との関係を引き離したいと考えており、歴史問題を利用して日本と韓国の関係を悪化させようとしています。
鈴木氏:
中国は米中関係が友好関係になることはないと考えており、米国の同盟ネットワークを自分たちの方に引き寄せたいと考えています。
日本には尖閣諸島の部位の問題を取り除くなどの対応をし、韓国には歴史問題を利用して気を引こうとしています。
習近平氏の歴史認識は屈辱の近代に対する深い怒りがあり、特に日清戦争が台湾問題の出発点と位置づけられています。
習近平氏は台湾統一を絶対に諦めないと考えられ、軍事的なアクションも想定しておく必要があります。
番組の感想はXで #中国経済の真相 をつけてポスト!次回は2025年2月20日の配信です。お楽しみに!

