
宇宙で勝つのは習近平氏?それともトランプ氏?
日本経済新聞編集委員で前の中国総局長の高橋哲史氏が、中国の政治経済を音声で読み解く番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」。今回は科学ジャーナリストで、元日本テレビ北京支局長の倉澤治雄さんにお話を伺いました。
※2025年1月22日収録。
音声文字起こし・要約機能を活用しています。
Topics from China
米政権、対中関税の即時発動見送り
交渉の余地残す
高橋氏:
トランプ大統領が就任早々、中国の習近平国家主席に対して友好的なメッセージを送っている印象を受けます。関税の即時発動は見送り、TikTokに対しても75日間の猶予期間を与えるなど、ディールのための駆け引きが見られます。特にTikTokに関しては、アメリカ側が50%出資することを求めており、イーロン・マスク氏が出資者になる可能性もあります。トランプ氏が習近平氏と直接交渉を行っている節があり、外交は人と人との関係であるため、日本の石破茂首相も早くアメリカに行ってトランプ氏と関係を構築する必要があると感じます。
倉澤氏:
米中関係はこれまで厳しい状況が続いていましたが、最悪の事態になるか、最良の事態になるかは分かりません。トランプ氏と習近平氏が手を握る可能性もあり、ルビオ氏のように厳しい姿勢を見せつつ、裏でがっちりと手を握ることも考えられます。米中関係の行方は予測が難しいが、手を握る可能性も視野に入れておくべきだと思います。
中国2024年成長率「名目<実質」の憂鬱
薄氷の5%達成
高橋氏:
中国の2024年の成長率は実質で前年比5.0%となり、政府の目標通りの数字に収まりました。しかし、名目の成長率が実質を下回るという逆転現象が起きており、デフレの状態に近づいている可能性があります。不動産不況を背景に、日本が経験したような失われた30年に突入するリスクが高まっています。中国では景気が悪いと口にすることもはばかられるほど、経済分野での言論統制が厳しくなっています。
倉澤氏:
GDPの伸び率だけで全体を判断するのは難しいが、新たな成長の要因が見つからないため、停滞期に入っていると感じます。中国経済はしばらく停滞が続く可能性が高いと考えられます。
EVの次に来る対中敗北
水素にみる日本型産業政策の限界
高橋氏:
水素エネルギーといえば日本が最先端を走っていると思っていましたが、実は中国が一気に実用化していると知り驚きました。太陽光パネルやリチウムイオン電池、電気自動車でも日本が技術面でリードしていましたが、中国勢の独り勝ちになっています。同じことが水素でも起きるとすれば、経済安全保障上も深刻な問題です。
倉澤氏:
水素はまだ市民が一般に使いやすいエネルギーにはなっていませんが、日本は基礎研究が得意であり、まだ勝ち筋はあります。中国はやってしまう、作ってしまうというパワーと資金力、人材、政策決定の速さがあります。日本も新しいタイプの産業の起こし方を考えるべきであり、まずやってみるという姿勢が必要です。
本編 - 再燃する米中貿易戦争、真の敗者はどっち?
火星めざすトランプ政権、
「マスク氏ファースト」にじむ
高橋氏:
トランプ大統領が火星探査を表明した背景には、イーロン・マスク氏の存在があります。火星探査は夢がありますが、トランプ氏が言うとギラギラした感じがして心配になります。中国も火星探査に力を入れており、技術面での競争が激化しています。
倉澤氏:
火星探査は非常に困難なミッションであり、成功率は低いと考えられます。中国は2020年に初めて火星探査機を打ち上げ、1回目で成功しました。アメリカは火星のサンプルリターンを計画していますが、予算の問題で遅れる可能性があります。一方、中国は2031年にサンプルリターンを予定しており、先に成功する可能性があります。
番組の感想はXで #中国経済の真相 をつけてポスト!次回は2025年1月30日の配信です。お楽しみに!

