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10月7日の「アサザイ 今日の1社」は、日本軽金属ホールディングス(5703・東証プライム市場)を放送しました。

今回は、代表取締役社長 朝来野 修一 様にお越しいただき、事業内容や株主還元等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記

日本軽金属ホールディングス(5703)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 朝来野 修一(あさくの しゅういち)様

 

「『循環』と『共創』」

 

アルミニウムといえば、まず同社の名前が最初に挙げられるが、そうではなく、同社の名前しか挙がらなくなったのである。

『製錬』とは鉱石から金属を取り出すことであるが、同社は1939年にアルミニウムの製錬会社としてスタートした(当然、その鉱石はボーキサイト)。つまり、社歴は90年近く、1949年には、非鉄金属業界として最初に東京証券取引所へ上場した。証券業界で『お軽(おかる)』の愛称で呼ばれていたのが懐かしい。

アルミニウムは、製錬の際に大量の電気を使うことから『電気の缶詰』とも呼ばれたのだが、1970年代にオイルショックが起き、電力コストが高騰したことから、他の製錬事業所は次々と撤退していった。それでも同社が製錬を続けられたのは、同社が水力発電設備を保有していたからであるが、2014年に国内唯一となっていたアルミ製錬事業を終了し、その後は、アルミニウムの加工を含む「アルミ総合メーカー」としての歩みを着実に進めたのである。アルミニウムといえば、同社の名前しか挙がらなくなった経緯はこのようなものだ。

 

アルミニウム=「軽い」と思い浮かべると思うが、アルミニウムは、軽くて加工性が良い、重さあたりの強度が高いなどの優れた特性を持っており、そのほかにも、錆びにくい、熱を伝えやすく、溶かすことで何度でも容易にリサイクルできるという非常に優れた性質を持っている。

つまりは「リサイクル」ということであるが、「"電気の缶詰"アルミニウム」は、そのリサイクル時には、必要なエネルギーが、新たに製錬する場合のたった3%で済む。つまり、アルミニウムのリサイクルは、CO2排出量の削減に効果があるのだ。

 

その脱炭素社会の実現に向けた世界のキーワードは現在、「循環経済」、「サーキュラーエコノミー」であるが、同社グループは2035年に向けて「循環型価値創造のグローバル・リーディング・カンパニー」という在るべき姿・ビジョンを掲げている。

ここで言う「循環」とは、ひと廻りして元の状態に戻ることを繰り返すということではなく、新たな価値として再び活用する流れをつくるということだそうで、同社はこの「循環」というキーワードと、共に創り出していくという「共創」を掛け合わせることで、未来を作っていくと語られた。

 

その「共創」の一例が、JR東海などと共同で進めている新幹線車両の構造材のリサイクル。

これまで、廃車となった新幹線車両は不純物の多い鋳物用アルミニウムなどにリサイクルされ、新幹線車両の構造材としては使えなかったが、同社グループのリサイクル技術・製造技術によって、元の部材と同じ品質を実現し、再び新幹線の骨格である車両構体に使用される「水平リサイクル」を可能にした。この取り組みで、生産時のCO2排出量は新幹線1編成あたり約50トン削減されるという。

 

このように、優れた特性を持つアルミニウムを、同社グループは、長年に亘って培ってきた豊富な知見やノウハウ、独自の技術力によって、自動車、電機・電子・情報通信、環境・安全・エネルギー、建築、鉄道、食品などの幅広い産業分野に、多種多様な商品として提供しているのだが、日本のアルミ需要の約半分に相当する量が、製品やスクラップとして海外へ流出しているという。

そのため、同社グループでは、アルミスクラップを集積しているインドで再生されたアルミ材料を日本へ供給し、国内拠点で加工して顧客へ提供することで、国境を越えた循環型フローの構築を目指している。昨年、インドのCMR ECO社へ出資を行った背景には、このような目的があったのだ。

 

さらに同社グループは、アルミだけでなく希少金属をはじめとするさまざまな金属資源のリサイクル分野でも、企業との「共創」を進めている。例えば、DOWAとの取り組みでは、リチウムイオンバッテリーや太陽光パネル、EVモーター等の分野で使用される希少金属などの金属資源をターゲットとして、金属リサイクルの共同技術開発や事業開発を進めているといった具合だ。

 

そんな同社グループは、上記した2035年ビジョン(「循環型価値創造のグローバル・リーディング・カンパニー」)に向けて、3か年計画を3度推進する予定であり、今年度から始まった新たな中期経営計画「26中計」は、その最初のステップとして「変革の実践」を掲げ、「新しい価値づくり」 と 「プロセス変革」の2つを基本方針としている。

「新しい価値づくり」とは、成長分野(半導体・電子部品、自動車)へ成長商品を投入し、外延拡大を狙うもので、他方、成長地域として、米国、インド及びそれらの周辺地域に資本を投下するという。さらに、中長期的にわたる成長分野への着手、2030年以降を見据えた戦略として、次世代モビリティ、航空・宇宙、循環型事業などの事業領域を開拓し、次の成長分野の獲得に向けた種まきをしっかりと行うと社長は語られた。また、もうひとつの基本方針「プロセス変革」は、収益率の向上とともに、DX・AIを活用した業務変革という内部効率の向上を目指すものだ。

 

2つの基本方針に加えて、最後に社長は「従業員エンゲージメントの向上や、国内のみならず、グローバルにおいて『共創』を実現できる人財を輩出し続けることができる企業となるよう、人的資本戦略も推進する」と語られた。社長はいつも社員に向けて『幸せで誇りあるチーム日軽金にしていこう』と伝え続けていて、そのために、従業員の働きがいや誇りを感じられる環境づくりを強化しているという。

「失敗を恐れず挑戦できる人と組織こそが、循環型社会をリードすることができる」と断言したその姿に、私は、オイルショックを乗り越えたうえで、アルミニウムの製錬企業から、アルミニウムの加工・総合メーカーへと華麗に変貌を遂げたそのDNAを見た気がした。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■日本軽金属ホールディングス IRサイト https://www.nikkeikinholdings.co.jp/ir/index.html

 

代表取締役社長 朝来野 修一 様と

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