7月15日の「アサザイ 今日の1社」は、新日本電工(5563・東証プライム市場)を放送しました。
今回は、代表取締役社長 青木 泰 様にお越しいただき、事業内容や強み等についてお話を伺いました。
井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。
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取材後記
新日本電工(5563)(東証プライム市場)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 青木 泰(あおき やすし)様
「パーフェクトリサイクル」
昨年、創業100周年を迎えられたが、創業当時の日本は鉄鋼の生産に不可欠な「マンガン系合金鉄」が不足しており、それを製造・販売した事業が祖業である。
「合金鉄」とは鉄の性能を良くするために必ず使われる原料で、ニッケル系、クロム系など、様々な元素との組み合わせのものがあるが、その中で「マンガン系合金鉄」は、強くてしなやかな鉄をつくるために必ず使われるものであり、様々な元素系合金鉄の中で、最も多く使われている。そのため、同社の東証業種区分は「鉄鋼」となっている。
また、社名に「電工」とあるため、電気工事の会社と思われがちだが、「電工」は創業時の社名である「大垣電気冶金工業所」の「電」と「工」を残したものである。
現在のコア事業は「素材分野」で2つ、「環境分野」で3つあるが、前者が「合金鉄事業」と「機能材料事業」、後者が「焼却灰資源化事業」、「アクアソリューション事業」、 「電力事業」である。
「合金鉄事業」は、上記のとおり祖業であり、マンガン系合金鉄の日本最大のサプライヤーとして世界でもトップレベルの競争力を有している。そして、「機能材料事業」では、特徴のある様々な材料を製造して提供している。例を挙げるとモーターに使われるネオジウム磁石の原料であるフェロボロン、半導体の働きをサポートする積層セラミックコンデンサーに用いられる酸化ジルコニウム、パソコンのディスプレーやグラスファイバー用の特殊ガラスの原料となる酸化ホウ素、ハイブリッド車や電気自動車の電池の材料として使われる水素吸蔵合金や硫酸マンガンなどである。
「環境分野」の事業についても説明すると、「焼却灰資源化事業」では、家庭ごみを資源化することで環境負荷低減に貢献している。また、「アクアソリューション事業」では、かつて社会問題となった、めっき工場などから出てくる排水から不純物を取り除き、奇麗にして外に出せるようにする装置の提供を行っており、「電力事業」においては、北海道日高地方に保有するダムで水力発電を行い、地元にカーボンフリーの電力を提供している。このダムは、電力会社を除く民間企業が保有するものとしては国内で一番大きいものである。
事業における強みであるが、まず「合金鉄事業」に関しては、合金鉄を製造する電気炉を操る技術に関して、100年の蓄積を経て世界でトップレベルの競争力を持っていることが挙げられる。同社の電気炉は直径12メートル、高さ6メートルという大きなもので、そこに大量の電気を流し、抵抗熱によって原料のマンガン鉱石を溶かす。電気炉内の温度は地表に噴出するマグマの温度よりも高い約2000℃にも達するが、この電気炉を2基保有し、365日24時間フル操業することで、年間約20万トンもの合金鉄を製造している。この重量は乗用車で約15万台分に相当する。また、生産過程で発生する熱やガスを回収して電気に変えて再利用するなど、効率的な生産を行うノウハウを持っていることも競争力の源泉である。
また「機能材料事業」における強みは、日本で同社だけが提供するオンリーワンの材料、あるいは大手企業の顧客におけるシェアがナンバーワンというものが多いということだ。提供している機能材は全てがニッチな分野ではあるが、その全てが世の中の発展に不可欠な材料であり、特に、地政学リスクが高まりつつある中で、「今後提供している材料の活躍の場が益々広がることが期待されている」と社長は語られた。
ここで「焼却灰資源化事業」を巡る環境について記すこととする。
各家庭から出るゴミは回収され、自治体の焼却施設で燃やされて灰になる。この灰を焼却灰というが、同社はその焼却灰を地方自治体から有償(料金を受領する)で受け入れ、専用の電気炉において高温で溶かすことで再資源化している。
その再資源化であるが、焼却灰には金・銀・銅といった有価金属をはじめ、再利用可能な貴重な資源が多く含まれているという。その有価金属を取り出し、装飾品のメッキ材料や電子部品の材料として再利用可能な状態にするとともに、残りのスラグ分については「エコラロック」という商品名で天然石の代わりとなる土木建設用の資材として提供している。このように、同事業は、家庭ゴミの焼却灰を余すところなく資源にする「パーフェクトリサイクル」を実現しているのだ。
しかし、自治体が抱える焼却灰の多くは埋め立てに回されているのが実情だ。
環境省の「一般廃棄物処理実態調査」によると、全国の家庭から出るごみの数量は、年間約4000万トンで、リサイクルに回らなかったその約80%が各自治体の焼却施設で燃やされ、結果として年間約400万トンの焼却灰が発生し、この3分の2に相当する年間約250万トンの焼却灰が埋め立て処分されているが、これは東京ドーム約6~7個分に匹敵する非常に大きな数量である。しかし一方で、焼却灰を埋め立てる処分場の能力は35年前と比べて足元では半分以下に減少しており、このままでは約25年(全国平均)で処分場は満杯になるという。
こうした状況を受けて、同社は「焼却灰資源化事業」について、拠点である鹿島工場での処理能力を1.5倍に拡大するため120億円を投じることを決定し、来年末にはその一部が稼働を開始する予定である。また、今後もこの分野への投資を積極的に行い、更に事業を拡大していく考えだという。
同社が掲げる"2030年のあるべき姿"は、「素材と環境で人々の暮らしを支え、より良い未来に向かって挑戦し続ける会社」。
「焼却灰資源化事業」において「パーフェクトリサイクル」を実現している同社は、着実にその"あるべき姿"への歩みを続けている。
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取材後記は以上です。いかがでしたか。
本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■新日本電工 IRサイト https://nippondenko.co.jp/ir/
代表取締役社長 青木 泰 様と
手に持っているものは、左側はエコラロックⓇ(溶融スラグ)、右側は溶融メタル。




