12月24日の「アサザイ 今日の1社」は、日本精密(7771・東証スタンダード市場)を放送しました。
今回は、代表取締役社長 井藤 秀雄 様にお越しいただき、事業内容や自社の強み等についてお話を伺いました。
井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。
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取材後記
日本精密(7771)(東証スタンダード市場)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 井藤 秀雄 (いとう ひでお)様
「手のひらロマンで世界を刻む」
創業が1978年であるので、あと3年で創業から50年を迎える。時計バンドを主力製品として、手のひらサイズの金属パーツの製造・販売をされている東証の業種区分「精密機器」の企業であるが、その事業は「時計部門」、「メガネフレーム部門」、「釣具・応用品部門」の3つのセグメントで構成されている。
「時計部門」の腕時計のバンドは"金属のバンド"がその領域であるが、バンドは同社が"コマ"と呼んでいる小さなパーツがつながって出来ている。同社の工場では、それらのパーツを一つひとつ、デザインから金型の設計・制作、(金属の加工で形を作る)プレス、研磨、表面処理の色付けまでを一気通貫で行っていることが特徴で、この「一気通貫体制」を敷いているのは非常に珍しいことだという。また、バンド以外にも、時計のケースに取付くベゼルや裏蓋、革バンドなどの長さを調節する際に穴を通すのに用いられる美錠と呼ばれるピンなども製造している。この「時計部門」は前期の同社の売上の約73%を占める主力事業だ。
その他の2事業は、その名が示す製品の金属部分に係る製造・販売を行っているが、それぞれの全体に占める売上構成比率は「メガネフレーム部門」が約13%、「釣具・応用品部門」が約14%となっており、前期は現在伸びている「釣具・応用品部門」が「メガネフレーム部門」を初めて上回ったという状況である。
これら3事業に共通する同社の強みは、出来上がった金属製品が非常に滑らかで、肌を傷つけない加工、研磨の技術が施されているということ。
腕時計のバンドの金属部分にささくれのようなものがあったとしたらケガをする。また現在は、金属アレルギーの方も多いことから、アレルギーを起こしにくい金属、例えば、加工の難しいチタンなどの金属についても、形状の加工から色付けまでができる技術が必要となり、それに同社は高い信頼で応えているのだ。同社のキャッチフレーズは「肌に優しい金属加工技術」であるが、これはそのまま同社の強みを表している。
同社の資料には、「Beyond China」、「ASEAN Project」という単語が並ぶが、同社が生産拠点としてASEANに進出したのは30年も前のことだ。当時、金属加工の分野は中国が世界の工場としての役割を既に担っていたが、同社は、いずれ中国を含む世界の製造拠点が多様化するという流れを読み、NEXT Chinaの候補地を探して、ベトナムに進出を決めたという経緯がある。
その後、ASEAN進出から約15年が経過した頃、ベトナムの第一工場を補完する形でカンボジアにも進出し、2つの工場を作った。そして"読み通り"に、中国国内で脱モノ作りの動きが大きくなってきた2014年から満を持して長期経営計画である「ASEAN Project」の第1期である「ASEAN ProjectⅠ」を策定し、これを推進した。掲げたメインテーマは「価値の創造」。
そして、ベトナムとカンボジアにおける一貫生産体制の構築に取り組み、2018年からの「ASEAN ProjectⅡ」においては、テーマを「価値の向上」に変更し、ASEANにおけるサプライチェーンの構築に取り組んだ。
ちょうどこの時期、中国で一人っ子政策の影響、生活水準の向上等によりいわゆる町工場の事業承継問題も生じ、多くの製造メーカーが部品の調達先を中国以外に広げる動きが強烈に進んだことから、同社事業の大きなジャンプアップが期待されたが、ここで起きてしまったのが「コロナ禍」であり、工場の一時的な停止もあり、体制の立て直しに時間がかかったという。
しかし、その中でもしっかりと生産効率を高める工夫、事業構造改革を進めてきたことが、結果的に"筋肉質な、より強い企業体質"を作ったと社長は語られた。
これから世に示す予定が「ASEAN ProjectⅢ」。この中で「価値の最大化」に向けた取り組みが示されるであろう。
ここにおいて"鍵"となるのが「自動化の取り組み」だ。
具体的には、人の手による作業から、自動機、半自動機を取り入れた体制に移行するということ。前期に導入したサーボプレス機が生産する特定部品の一例として、7人が1日かけて1,500個生産していたものが、1台で3,600個生産することが可能になったと言われた。
この、自動化、半自動化の推進は、生産効率の上昇、大幅な原価低減に結びつき、また、工場としてのキャパシティの拡大にも寄与することから、顧客の販売数量の多い普及価格帯以下の商品の生産に数多く採用され、非常に喜ばれているという。
同社のコーポレートスローガンは「手のひらロマンで世界を刻む」という素敵なものだ。大きなものではなく、手のひらに乗るサイズ、手のひらサイズの部品加工の分野で世界のモノづくりを支えていきたいという願いが込められているが、じきに示される「ASEAN ProjectⅢ」の中の「自動化、半自動化の推進」が、同社をその願いに近づけるものであることに期待する。
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取材後記は以上です。いかがでしたか。
本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■日本精密 IRサイト https://www.nihon-s.co.jp/ir-information/
代表取締役社長 井藤 秀雄 様と




