6月11日の「アサザイ 今日の1社」は、アグレ都市デザイン(3467・東証スタンダード市場)を放送しました。
今回は、代表取締役社長 大林 竜一 様にお越しいただき、自社の独自の強みや成長戦略等についてお話を伺いました。
井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。
----------------------------------------------------------
取材後記
アグレ都市デザイン(3467)ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 大林 竜一 (おおばやし りゅういち)様
「アグレの"価値観"」
2016年に上場された、東証の業種区分「不動産業」の企業だが、2009年の設立時は大林社長一人での起業であったとのこと。但し、創業間もないころから、理念や価値観に共感してくれる優秀な仲間が集まってくれたことが事業の成長に繋がったと、社長は冒頭、感謝の念を込めて言われた。
その(経営)理念ともいえるミッションが「⼈類の共同財産を創出する。」。
少し抽象的で、大上段に構えたような感じがするかもしれないと言われたが、意味するところは「土地は皆の共有すべき財産で、ここに最大の付加価値を付けることが社会を豊かにする。その使命を負っている」という考えだ。
事業セグメントは、「ハウジング事業」、「アセットソリューション事業」、「宿泊事業」の3つ。
「ハウジング事業」は、この3月期の売上高に占める比率が約88%以上を占める主力事業で、良質な戸建用地を取得し、自社ブランドである「アグレシオ・シリーズ」を中心に、自社設計・自社施工・自社販売による・自社一貫体制でデザイン性・機能性に優れた戸建住宅を供給している。
二つ目の「アセットソリューション事業」は「投資」をキーワードに、相続対策の需要や投資家向けに15戸~30戸程度の新築賃貸マンションや木造アパートの1棟売りを行うことや、中古マンション・ビルのコンバージョンやリノベーションなどを行うことだ。
そして、最後の「宿泊事業」は、2023年度に子会社化したハウスバード株式会社が展開する宿泊施設の開業支援コンサルティング事業であり、具体的には「人間らしい、知性や感性、優しさや自由な心を取り戻せる場所を日本中に溢れさせる」というミッションのもと"1日から貸せる家"をコンセプトに空き家や別荘等を活用し、「旅館」としての許可を取得している。この事業においても、企画からマーケティング、開業に至るまでをワンストップで支援していることが特徴だ。現在は日本全国で展開し、オーナーの夢をカタチにしている。また、アグレとの協業で、都市型バケーションレンタル「Hours House」の提供も開始した。
業績も好調。前期2025年3月期の決算で創業以来16期連続の増収を記録し、利益についても、前期比で営業利益が58.2%、経常利益が74.0%、最終利益である親会社株主に帰属する当期純利益が80.9%の大きな増益率となった。
この好調な業績を支えている強みが「ハウジング事業」における、上記した"自社一貫体制"。
土地の仕入れから・設計・施工・販売・アフターサービスまでを自社で行う自社一貫体制で取り組んでいることが、品質管理も含め、高い顧客足度を提供しているという。自社一貫体制を標榜している同業者は多く存在するが、実際には施工は外注であるなど、本当の自社一貫体制を敷いているのはごくわずかである。
そして、前期の好業績の要因として挙げられたのが、昨年4月に「営業部」を新設したこと。それまで4つの拠点それぞれに配置していた営業部門を一つに集約することにより、販売エリアを問わず「全社の物件を一つの営業部で販売する体制」を構築し、人的リソースや指揮命令系統、広告展開など業務効率が向上した結果、販売力を大幅に強化することができたとのこと。また、この自社販売部隊に「造り手としての深い商品知識」が備わっていることが強みを発揮し、顧客満足度の向上にも寄与したと述べた。
今後の成長戦略で掲げていることは「まずはトップラインを伸ばす」ということ。
経営指標の目標として、第21期である2030年3月期に売上高500億円を目指し、長期的には1,000億を達成したいと語ったが、そのため「ハウジング事業」においては、これまでの3年間の好調な売上高の推移を継続すべく、これからの3年間で自社一貫体制をさらに磨き上げ、強い販売力が仕入れ競争力を高めるというサイクルを盤石なものとすることを目指すという。そして、エリア戦略としては都心重視の姿勢を継続し、従来の多摩地区東部や練馬地区を深堀するとともに、より都心に近いエリアの比率を上げていき、さらにこれまで供給が少なかった城南エリアなどニーズの高いエリアへ積極的に進出するとのこと。
また、「アセットソリューション事業」においては、従来のRCマンションについては、都心の希少エリアにフォーカスする方針を継続するとともに、ハウジング以外の分野で"投資"や"宿泊"というキーワードを軸に、新しい領域にチャレンジすることを考えている。
これは、これまではハウジング事業で培った用地情報網がアセットソリューション事業に十分に活かされていなかったという課題を認識してのことだ。今後については、ハウジング事業とアセットソリューション事業の仕入れ情報・商品企画を全社レベルで統合し、情報元に対してその土地が持つポテンシャルを最大限に活かす商品企画を前提とした査定をするという。この"土地の評価の最大化"こそが、情報元に対する最大のサービスになり、紐帯関係の強化につながると語った。
最後の「宿泊事業」については、これまで日本全国約70施設をプロデュースし、地方創生/空き家活用/セカンドハウス/新規事業創出といったオーナー様のニーズに合わせ、一つひとつをオーダーメイドで、オーナー様の"夢をカタチ"にしてきたという自負がある。引き続き、自社物件も含めて運営代行を拡充し、ノウハウを蓄積するとともに、これまでの開業コンサルに加えて、施設の分譲と運営代行によって、売上と収益の拡大を図りたいと考えている。
同社には、ほかのほとんどの不動産会社が採用している「歩合給制度」が存在しない。歩合給の割合が高いと理念や価値観を共有する妨げになると考えているからだ。目先の数字を追いかけることは、高い顧客満足度に繋がらない。「押し売りのような営業はアグレの価値観と合わない。」と社長は切り捨ててみせた。
創業時、たった一人で考えたミッション。それを全社員がDNAとして深く理解し、その共有のもと同じベクトルで事業にあたっている。高い顧客満足度のために行っている"自社一貫体制"はそれを体現したものだ。同社の強み、それはこの部分にこそあると私は感じた。
----------------------------------------------------------
取材後記は以上です。いかがでしたか。
本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■アグレ都市デザイン IRサイト https://about.agr-urban.co.jp/ir/
代表取締役社長 大林 竜一 様と




