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12月6日の「アサザイ 今日の1社」は、天龍製鋸(5945・東証スタンダード)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 大石 高彰 様にお越しいただき、事業内容や用途別の刃物製品のご紹介、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

天龍製鋸(5945)(東証スタンダード市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 大石 高彰(おおいし たかあき)様

 

「実直」

▼幅広い用途の鋸・刃物類でものづくり産業を下支え

 会社設立は実に1913年(大正2年)で、今年10月に設立110年を迎えられた。

 「ものづくり」に欠かせない切断作業時に使用される機械鋸の製造・販売を行い、自動車・住宅・鉄鋼など多くのものづくり産業を下支えしてきたが、鋸・刃物類の製造技法の研究のためイギリスに社員2名を派遣したのが第一次世界大戦後の1920年のこと。その2年後の1922年には国産初の丸鋸を世に送り出している。

 現在の体制であるが、国内は本社及び本社工場を静岡県袋井市に構え、東京支店、大阪支店、秋田支店、北陸営業所の国内5拠点と大牟田工場を有し、海外には生産拠点が中国、タイに4拠点、販売拠点が、アメリカ、メキシコ、ドイツ、インド、中国に6拠点あり、国内はもとより米国・欧州、アジアにおいて事業活動を行うまでに成長を遂げた。

 

 一言で「鋸・刃物類」と括るわけにはいかないのがその用途の広さである。

 まず、各種鉄鋼材料の切断に適した超硬チップソー、メタルソー、メタルバンドソーなど加工条件や切断条件に応じた製品を「鉄鋼用」として生産しており、同じように銅、アルミニウムなどの切断のための「非鉄金属用」も生産している。

 また、チップソー、カッター、帯鋸、ルーター(エンドミル)、丸鋸など色々な木質系材料の切断方式や切断機に応じた製品を「木質系材料用」として生産しており、その他の用途としては、「樹脂加工用」、セメントなどの「窯業系材料加工等」、ダンボールやトイレットペーパーの切断に用いられる「紙加工用」、そして食肉加工用の「食品加工用」、リサイクル用の粉砕刃である「環境・リサイクル用」など、製造業の現場から生活の一部で役立つ製品の生産・販売を行うとともに、関連機器の「チップソー加工機」、「帯鋸加工機」の生産・販売も行っている。

 

▼会社の歴史が日本の「鋸」の歴史

 同社は業界のパイオニアとして、「切削と加工」をテーマに歩みを続け、その社歴が日本の「鋸」の歴史と言っても過言ではないと自負しているが、決してそれは"自負"ではなく、"世の中の評価"である。

 このことがまずは同社の圧倒的な「強み」であるが、その他にも、材料の熱処理から刃先の研磨まで一貫した生産を行う鋸刃専門メーカーであり、特に、刃先部分の表面処理であるコーティング技術に秀でていることが、顧客の高い評価を受けていることも強みである。

 

 コロナ禍での巣ごもりは「DIY」という形で同社の売上増に結びつき、20223月期の業績は、売上高が前期比で30%以上増加し、約144億円と過去最高となり、同じく利益面でも経常利益が約31億円と過去最高を記録した。

 そして、前期2023年3月期は、巣ごもり需要の落ち着きから、住宅資材用チップソーの売上は減少したものの、それでもその前期に次ぐ、過去2番目の売上高・利益となった。これは、コロナ禍では、家庭用以外の住宅・自動車関係は勢いを欠いていたものの、ウイズコロナ、アフターコロナの現在、これら製造現場での需要増、需要回復が見られ始めたということだ。非常にうまく、この難事を乗り切った印象を持つ。

 

▼脱炭素、サステナビリティ経営、SDGsの推進を事業活動の念頭に

 同社について非常に感銘を受けたのが、サステナビリティ、SDGsへの取り組みがとても早くから行われており、そして確りとした歩みを続けたということ。

 成長戦略の1つにも「脱炭素への対応」を掲げており、自社の課題を明確に把握し、積極的に新技術への投資を行い、企業収益の向上を図るとともに、脱炭素に寄与する取り組みを進めるとしているが、これまでも同社は、ISO14001環境事務局の設置、サステナビリティ委員会の設置、SDGs推進事務局の設置、そして、女性活躍プロジェクトの発足、ソーシャルボンド、グリーンボンドへの投資など、SDGSへの取り組みを積極的に進めてきた。

 その結果、健康経営優良法人の中小規模法人部門の認定を5年連続で受けている。

 「これからも、事業活動における念頭として、脱炭素、サステナビリティ経営、SDGsの推進を据える」と社長は力強く語り、これを従業員208名、グループ合計1,050名で共有すると述べた。

 「実直」。同社を語る言葉はこの一つでいい。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■天龍製鋸 ウェブサイト https://www.tenryu-saw.com

 

代表取締役社長 大石 高彰 様と

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