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IHIが急落、悪材料にも敏感な東京市場」

「不動産株は反発、下落局面で買う投資家の存在を確認」

「ゆうちょ銀行、半年ぶりの高値更新、金利上昇に備えた銘柄選択」

 

 

9月12日の日本株は上昇しました。自動車株、薬品株が堅調です。今週は日本の長期金利動向が注目されます。本日の10年債利回りは0.72%台まで上昇しました。

 

 

昨日、長期金利上昇を警戒して、金利負担の重い業種である不動産業が業種別下落率トップとなりました。本日は三井不動産、三菱地所、住友不動産がそろって反発しています。この不動産株の動きが象徴するように、今の東京市場では、急落局面で買う投資家が存在します。急落局面で買う投資家が存在すると下値余地が限定的になります。その感覚が本日の株価上昇をもたらしています。

 

 

一方、本日は三菱重工、川崎重工、IHIがそろって大幅安となりました。航空機エンジンに関する品質問題が警戒されています。

 

 

米国株式市場に上場している航空機用エンジンメーカーのRTXは11日、子会社のプラット&ホイットニーの粉末冶金製造問題において7-9月期に費用を計上すると発表しました。23年~26年にかけて、約600~700のエンジンを取り除く必要が生じるとしています。

 

 

RTXの税引き前営業利益への影響は、今後数年間で30億ドルから35億ドルになると見積もられています。

 

 

RTXの株価(11日)

76.90ドル(-6.58ドル、-7.88%)

 

 

RTXの株価は52週安値を更新しています。日本でも関連性が指摘される銘柄が大きく下げています。

 

 

昨日の不動産株もそうでしたが、上昇してきた銘柄に対して急激に売りが膨らむケースが目立っています。保有株について、内心では「保有し続けるには、ちょっとバリュエーションが高くなってきたな、少し保有株を下げておこうかな」と感じている投資家が多いということなのでしょう。そこに、株式売却を促す事象が生じ、一気に売り物が膨らみました。

 

 

IHIの株価は15.8%も下げました。昨日に約6000億円だった時価総額は5000億円程度まで減少しています。

 

 

昨日は金利上昇を受けて多くの銘柄が下げました。本日は航空機関連株が急落です。下落要因の性質は異なりますが、「悪材料に敏感な株式市場」と言えます。悪材料に敏感ということは、利益確定の時期を伺う投資家の存在を示します。もちろん、先述のように下落局面では買う投資家が存在します。

 

 

メガバンクがそろって年初来の高値を更新しました。ゆうちょ銀行(7182)は3月高値を半年ぶりに更新しました。収益を国債運用に頼るゆうちょ銀行は、日本国債利回り上昇の恩恵を最も強く受ける銘柄でしょう。金利上昇に備える取引が本日も見られています。

 

 

9月12日午後3時10分記

 

 

 

 

 

 

 

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