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「8月ISMサービス業景況指数、雇用指数が大幅上昇」

 

 

9月6日の米国株は下げました。下落率は、NYダウが0.5%、ナスダック指数は1%でした。

 

 

「良好な経済指標を受けて株価下落」のパターンです。ISM(供給管理協会)は6日、8月のサービス業景況指数を発表しました。メイン指標のサービスPMI54.5(前月比+1.8)となりました。以下に項目別で記載します。

 

 

8月のISMサービス業景況指数(前月比)

PMI    54.5+1.8

生産・活動 57.3+0.2

新規受注   57.5+2.5

雇用        54.7+4.0

供給配達   48.5+0.4

在庫       57.7+7.3

価格       58.9+2.1

受注残     41.8-10.3

 

 

サービス業PMI2カ月ぶりに上昇して、2月以来の高水準となりました。雇用指数については、前月比で4.0Pの大幅上昇です。強いサービス業の雇用状況が賃金の伸びを高止まりさせ、高いインフレ率を呼ぶとの警戒感につながりました。

 

 

景況アンケート対象企業からのコメントを以下に引用します。

 

 

「売上高と来店客数は、パンデミック前と比べ、前年比でプラスを維持。雇用は安定している。質の高い従業員を確保している。カリフォルニア州では7月に最低賃金が引き上げられた。豚肉価格が大幅に上昇」(宿泊&フードサービス)

 

「売上好調。原材料価格は安定し、コスト削減の可能性がある。原材料の入手のしやすさはコロナ前に戻っている」(建設)

 

「人件費は引き続き軟化。医薬品と消耗品のコストは高止まりしている。見通しは楽観的(社会支援)

 

「物価は落ち着いている。24年の景気後退可能性の警告は、経営トップはあまり真剣に受け止めていない。インフレを抑え、経済のソフトランディングを築くためのFRBの戦略は、予想以上にうまくいっている」(行政)

 

 

サービス業の景況に対する楽観的な見方が主流のようです。7-9月期の米国サービス業の収益は良好な状態が予想されます。しかし、良好な数字は、金融政策への警戒感を高めて、株価は軟調な動きとなりました。FED WATCHによる年内利上げ確率は44%で、前日の43%と比べて、ほとんど変わっていません。

 

 

ラジオNIKKEI 解説委員 鎌田伸一

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