「日経平均の予想PER 今年最高の15.65倍に上昇」
「日経平均採用銘柄の時価総額、600兆円超、2週間余で6.2%増加」
「時価総額増加率>日経平均上昇率」
「8月の国内ユニクロ売上高、購買客数の前年割れ続く」
昨日4日の米国市場は休場でした。日本株はとても強く、TOPIXは連日の高値更新です。
TOPIXと比べて動きが鈍い日経平均ですが、4日の日経平均予想PERは今年最高の15.65倍となりました。これまでの最高は7月3日の15.47倍です。7月3日は日経平均が終値で今年の最高値を付けた日です。
以下に「日経平均の予想PER」、「日経平均÷予想PERで算出した日経平均予想1株利益」の7月以降の推移を時系列で示します。
日経平均 予想PER 1株利益
7月3日 33753円33銭 15.47倍 2181円
4日 33422円52銭 15.36倍 2175円
5日 33338円70銭 15.36倍 2170円
6日 32773円02銭 15.16倍 2158円
7日 32388円42銭 14.99倍 2160円
10日 32189円73銭 14.89倍 2161円
11日 32203円57銭 14.83倍 2171円
12日 31943円93銭 14.74倍 2167円
13日 32419円33銭 14.89倍 2177円
14日 32391円26銭 14.85倍 2181円
18日 32493円89銭 14.93倍 2176円
19日 32896円03銭 15.12倍 2175円
20日 32490円52銭 15.01倍 2164円
21日 32304円25銭 15.02倍 2150円
24日 32700円94銭 15.15倍 2158円
25日 32682円51銭 15.17倍 2154円
26日 32688円34銭 15.14倍 2159円
27日 32891円16銭 15.22倍 2161円
28日 32759円23銭 15.22倍 2152円
31日 33172円22銭 15.41倍 2152円
8月1日 33476円58銭 15.45倍 2166円
2日 32707円69銭 15.21倍 2150円
3日 32159円28銭 15.00倍 2143円
4日 32192円75銭 15.06倍 2137円
7日 32254円56銭 15.08倍 2138円
8日 32377円29銭 15.13倍 2139円
9日 32204円33銭 15.03倍 2142円
10日 32473円65銭 15.17倍 2140円
14日 32059円91銭 15.01倍 2135円
15日 32238円89銭 15.08倍 2137円
16日 31766円82銭 14.86倍 2137円
17日 31626円00銭 14.81倍 2135円
18日 31450円76銭 14.72倍 2136円
21日 31565円64銭 14.74倍 2141円
22日 31856円71銭 14.91倍 2136円
23日 32010円26銭 14.98倍 2136円
24日 32287円21銭 15.05倍 2145円
25日 31624円28銭 14.89倍 2123円
28日 32169円99銭 15.13倍 2126円
29日 32226円97銭 15.14倍 2128円
30日 32333円46銭 15.21倍 2125円
31日 32619円34銭 15.34倍 2126円
9月1日 32710円62銭 15.45倍 2117円
4日 32939円18銭 15.65倍 2104円
日経平均予想PERは「採用銘柄の合計時価総額」÷「採用銘柄の合計予想利益」で算出されます。商社株、銀行株、自動車株の上昇によって、日経平均採用銘柄の時価総額は大幅に増加しています。4日段階で日経平均採用銘柄の合計時価総額は600.95兆円です。8月18日の566兆円に対して約6.2%増加しています。時価総額の増加がPERの上昇をもたらしました。
4日は、7月3日に付けた近年の最高PER水準を上回ってきました。PERの上昇は、先行きの利益増加期待値の上昇を示します。円安や中国景気対策、国内生産回帰、M&A活発化等の利益増加期待要因がどれだけ存在するのか、精査する段階でしょう。
直近では業績修正が発表されていないのに、1株利益予想値が低下しています。これは「時価総額の増加ペース」が「日経平均の上昇ペース」よりも勢いが良いためです。先述期間(8月18日~9月4日)の日経平均の上昇率は5.3%です。時価総額は日経平均以上に増加したため、日経平均をPERで割って算出する1株利益は、その結果として低下しました。
「日経平均予想1株利益」は企業の予想利益に変化が無くても、「時価総額と日経平均の勢いの違い」によって変化します。
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ファーストリテイリング(9983)とユナイテッドアローズ(7606)は4日、8月の月次売上高を発表しました。日本の小売業の売上高は引き続き堅実な状況です。以下に時系列で示します。
ファーストリテイリング(国内ユニクロ既存店)
6月 96.6%
7月 108.7%
8月 107.1%
ユナイテッドアローズ(既存店)
6月 110.5%
7月 113.0%
8月 103.7%
ファーストリテイリングの8月の既存店売上高(国内ユニクロ)は前年同月比7.1%の伸びとなりました。客数は98.6%、客単価は108.7%、その掛け合わせで107.1%です。
客数は今年4月から「5か月連続の100%割れ」です。一方で客単価は「3月以降8月まで107.5%~112.9%で推移」しています。つまり、客単価の上昇を受けて購買客数は減少している。しかし、単価の上昇が牽引して既存店売上高が増加する構図です。
物価上昇によって消費者の財布が痛み、それが買い上げ件数の減少につながっている、これは先行きの不安要素と見た方が良いでしょう。現状では、消費関連企業の業績は、販売価格上昇を受けて好調です。消費者の財布が痛めば、購買力も弱くなり、値上げができなくなる企業が増えてくる、そんな仮説にも備えておきます
9月5日午前6時45分