「日本株続伸、TOPIXは1か月前の高値を意識」
「三菱重工の人気続く、中小型半導体関連株の高値相次ぐ」
「不動産株の新高値銘柄が増加」
「トヨタ、7月生産は10%増加」
「明日は鉱工業生産指数発表、電子部品の生産底打ち確認できるか」
8月30日の日本株は上昇しました。米国株高を受けて続伸です。TOPIXの高値は8月1日の2337.91Pです。そこを強く意識する水準まで上昇しています。
三菱重工の人気が続いています。何度も書いていますが、三菱重工の4-6月期の宇宙・航空・防衛関連事業の受注高は7倍増と記録的な伸びを示しました。防衛関連株と位置付けられる企業に注目する動きが広がっています。IHIが上昇し、決算発表直後に下げた川崎重工も今週の上昇が目立っています。
半導体関連株も幅広く買われています。東京応化、住友ベークライト、日本ゼオン、バルカーなど、半導体材料の供給メーカーに新高値を付ける銘柄が増えてきています。
米国NVDAは決算発表で売上急拡大が明らかになった後、売り買い交錯の展開です。大型主力株の高値抜けには時間を要す可能性もありますが、中小型の半導体関連株の相次ぐ高値更新が注目されます。
三井不動産、三菱地所の不動産大手がそろって高値更新です。不動産株の高値更新は「日本の金融機能の健全性」、「堅実な不動産価格動向」、「底堅い消費活動」への期待を反映していると考えます。不動産株の相次ぐ高値更新を意識すると、短期的には貸しビル業的発想で捉えられる日本のテレビ局の株式等に関心が向かう可能性もあるのかな、と感じています。
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トヨタが29日、7月のグローバル販売台数、生産台数(含むダイハツ、日野)を発表しました。以下に示します。
トヨタの7月の販売・生産台数(前年同月比)
販売台数918345台(105.2%)
生産台数918347台(110.0%)
グローバル販売、生産とも7月として過去最高を記録しています。トヨタ自動車のグローバル販売台数(ダイハツ、日野除く)は859506台(107.8%)でした。このうち、このうち国内販売は141178台(135.2%)、海外販売は718328台(103.7%)でした。
生産台数の内訳は、国内生産が308686台(139.2%)、海外生産は500714台(103.3%)でした。国内生産と国内販売の差が167500台ほどになります。ラフな計算になりますが、これが輸出台数の目途となります。国内で生産して海外で販売する部分です。円安時にはこの部分の利益率が上昇すると考えられます
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8月31日に日本の7月鉱工業生産指数が発表されます。17日に発表された7月貿易統計では、自動車輸出が1兆5905億円(前年同月比+28%)でした。自動車輸出の増加を反映した堅実な数字になるのか、注目されます。上記のトヨタの7月販売・生産動向も参考になります。自動車関連企業の業績上方修正期待が広がるか、銘柄選択の重要なファクターでしょう。
7月鉱工業生産指数では、電子部品動向も注目されます。スマホ、PC向けの電子部品需要の低調は既に広く認識されています。しかし、1か月前に発表された6月鉱工業生産指数において「電子部品デバイス産業」は「前月比+6.8%」となっていました。7月の生産予測値も「+8.0%」と上向きです。
電子部品の国内生産が底打ちし、回復に向かっているのかどうか、確認したいと考えます。電子部品大手メーカーの村田製作所の4-6月期決算資料には「スマホ市場の在庫調整は解消」、「モビリティ向け顧客で大幅な部品在庫調整は生じない」等と記載されています。電子部品底打ちの自信が強まると、投資対象のレパートリーも広がってくるでしょう。
8月30日午後3時10分記