「17日の米国株下落、ナスダック指数は3日連続で1%以上の下落率」
「長期金利4.32%台に上昇、昨年10月の4.33%に接近」
8月17日の米国株は下げました。下落率は、NYダウが0.8%、ナスダック指数は1.1%でした。ナスダック指数は、3日続けて下落率が1%台となりました。
金利上昇を受けて株安です。10年債利回りは、4.32%台まで上昇しました。昨年10月の4.33%とほぼ並んでいます。
FRBが最も注目している物価指数はPCE(個人消費支出)価格指数です。直近発表の6月PCE価格指数は+3.0%(コア+4.1%)でした。そして、長期金利が4.33%を付けた昨年10月は+6.0%(コア+5.0%)でした。
現状の物価上昇率が3.0%、昨年10月の物価上昇率が6.0%ならば、同じ4.3%前後の長期金利であっても意味合いは違ってきます。物価と比べて、今の長期金利は高くなっています。
名目金利(実際の金利)は物価上昇率よりも高い=実質金利はプラスです。だから、ここから長期金利がまだまだ上がるならば、モノや株に投資するよりも、銀行に預金しておいた方が得との計算になります。現状は「長期金利の上昇が株価の重荷になっている」と説明されます。
もちろん「今の長期金利は実際の物価上昇率よりも高い。だから、これからの長期金利上昇は限定的」との見方もできます。あるいは「物価上昇率以上に長期金利が高くなっているということは、米国経済の成長率が高いことを示すので、必ずしもネガティブな評価をすることはない」との考え方も可能です。長期金利の捉え方によって、株式への対応は変わってきます。
FED WATCHによると、年内の利上げ確率は33%(前日36%、1週間前26%)でした。政策金利見通しは大きく変わってはいません。
8月18日午前5時40分記