「日本株は反落、景気悪化を警戒」
「資源株、商社株が下落」
「中国経済について―"良い"の回答はゼロ――ドイツのアナリスト」
「8月最新のソフトデータ悪化――世界株安の要因に」
8月16日の日本株は下げました。業種別では、資源株、金融株、商社株(卸売業)等の下落率が高くなりました。景気敏感株を売る動きです。銀行株安は、米国銀行株安を反映したのでしょうが、「今後の景気悪化→金利上昇期待後退→銀行株安」でも捉えられます。
香港ハンセン指数の今年の取引時間中安値は5月31日の18044Pです。本日午後2時過ぎの段階では、約18300Pの位置にあります。いつ安値を更新しても不思議ではありません。香港ハンセン指数の下落、日本の総合商社株の下落を直視すれば、「中国景気・アジア景気悪化」が株安要因と言えます。
欧米では、15日付で8月調査の最新ソフトデータが公表されました。ドイツの民間調査機関ZEWが発表した8月の景況調査(ドイツのアナリスト148人対象)では、ドイツの現状指数が「−71.3」(前月比-11.8)、先行き指数が「−12.3」(同+2.4)となりました。
ドイツ景気の現状について「良い」と回答したアナリストの比率は2%、「悪い」の回答は73.3%です。
「中国景気の現状」は「良い」の回答がゼロです。148人のアナリストのうち、「良い」の答えはゼロです。「悪い」の回答は64.1%を占めます。その結果、ZEWの「中国現状景気指数」は「−64.1」(前月比-20.8)です。良いと見ているアナリストが1人もいないということは、これ以上悪くはならないことを示しているのかもしれません。
今朝の当欄の配信内容で「8月の米国住宅市場指数=前月比-6の50」、「8月のNY連銀製造業景況指数=前月比-20.1の-19.0」について、お伝えしました。これら8月のソフトデータの悪化が昨晩の欧州時間からの世界株価下落の要因でしょう。
ちなみに、ZEW調査における「インフレ率」の項目では、インフレ率が加速するとの回答は、ユーロ地域が4.8%、米国も4.8%です。半面、インフレ率が鈍化するとの回答は、ユーロ地域81.5%、米国75.2%です。もう物価は焦点になっていないのです。景気悪化への警戒感が株安をもたらしています。
8月16日午後3時10分記