「15日の米国株は約1%下落」
「長期金利上昇、昨年10月の4.33%に接近」
「8月の住宅建設業者の景況感が急低下」
「7月の米国小売売上高、前月比+0.7%、前年同月比+3.2%、伸び加速」
8月15日の米国株は下げました。下落率は、NYダウが1%、ナスダック指数は1.1%でした。
7月の中国重要経済指標が15日に発表されました。その内容が米国株安につながったとの解説が聞かれます。昨日に掲載した中国の小売売上高、工業生産高を再掲します。
中国の小売売上高
5月 3兆7803億人民元(+12.7%)
6月 3兆9951億人民元(+3.1%)
7月 3兆6761億人民元(+2.5%)
中国の工業生産高
5月 +3.5%
6月 +4.4%
7月 +3.7%
中国経済への警戒感を映し、原油価格が下げました。原油価格は80.4ドルと、前日よりも2.1ドル下げる場面がありました。格付け機関による銀行の格下げ懸念も生じました。米国株式市場では、資源株、金融株が下げました。
米国10年債利回りは一時0.09%Pほど高い4.27%まで上昇しました。昨年10月21日の4.33%に近付いています。長期金利はコロナ後の最高水準に近付いています。
株式市場は「中国経済」に加え「米国金利上昇による景気悪化」も警戒して下げました。
住宅建設業者の業界団体であるNAHBが15日発表した8月の「住宅市場指数」は、良い悪いの分岐点である50となりました。7月の56に対して6Pの大幅低下です。金利上昇が住宅建設業者の景況感に悪影響を与えています。
NAHBのヒューイ会長のコメントを以下に引用します。
「住宅ローン金利上昇と建設労働者の不足、建設可能な土地の不足、配電用変圧器の継続的な不足を受けて建設コストが高騰した。それが8月の住宅建設業者の心理を冷え込ませた」
「8月の住宅市場指数は、住宅の値ごろ感が継続的課題であることを認識させる」
「多くの住宅所有者が低金利の住宅ローンに固定されている。そのため、そのまま住み続けることを選択する。(古い住宅に住み続ける人が多いので)再販在庫が不足している。そのために新築住宅の需要が発生している面もある」
住宅市場指数は低下しましたが、15日の米国住宅関連株は総じて上昇しています。
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7月の米国小売売上高が発表されました。前月比0.7%増加、前年同月比で3.2%の増加となりました。4月、5月、6月の前年同月比増加率は1.5%~2%でしたので、7月の3.2%増加は、かなり高めの伸びと言えます。強い米国小売売上高は金利上昇要因となりました。
住宅資材、住宅関連商品を販売するホームデポ(HD)は15日、5-7月期決算を発表しました。
ホームデポの5―7月期
売上高 429億ドル(-2%)
営業利益 65億ドル(-8.6%)
24年1月期の売上高見通しは「-2%~-5%」を計画しています。ホームデポの株価は0.6%上昇しました。52週高値347ドルに対して15日終値は332ドルです。
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NY連銀が15日発表した8月製造業景況指数は「-19.0」、前月比20.1Pの低下となりました。再びマイナスの領域となりました。「6カ月後の期待指数」は「+19.9」(前月比+5.6)でした。
8月16日午前6時40分記