「三菱重工、決算発表後、約1000円高」
「防衛関連受注が増加」
「川崎重工も約5週間ぶりの高値更新」
「6月の勤労統計、現金給与総額は2.3%増加」
本日は、8日前引け段階のデータを基にお伝えします。8日の日経平均は前引け段階で103円高です。米国株高を受けて、日経平均は一時280円ほど上げる場面もありましたが、全体的には伸び悩みました。
三菱重工の前場の高値は7658円です。決算発表前日の3日終値6652円と比較して約1000円の上昇です。防衛関連の受注急増を好感して株価大幅上昇です。三菱重工の4-6月期決算の注目点を以下に再掲載します。
三菱重工の4-6月期(前年同期比)
受注高 1兆6068億円(+6890億円)
売上高 9839億円(+1126億円)
事業利益 519億円(+370億円)
「航空・防衛・宇宙」分野受注 6871億円(前期比+5900億円、約7倍増)
三菱重工の大幅高に触発されて、川崎重工の株価も前場に3.5%上昇し、約5週間ぶりの高値更新です。川崎重工は8日午前11時30分、4-6月期決算を発表しました。
川崎重工の4-6月期(前年同月比)
受注高 4573億円(+452億円)
売上高 4053億円(+549億円)
事業利益 102億円(+56億円)
受注高は約11%増加です。全体受注は、三菱重工と比べると、やや迫力不足でしょうか。
川崎重工のセグメント別受注高では、「航空宇宙システム」の受注高が1187億円(+582億円)となりました。やはり、この分野の受注高は急増しています。
川崎重工の決算説明資料から「防衛省向け受注環境についての事業環境・受注動向」を以下に引用します。
防衛省向け
-「抜本的な防衛力強化という防衛省の方針のもと、今後の需要増や採算性の改善が期待できる」
東京株式市場において「防衛関連」のテーマは強く意識しておきたいと考えます。
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厚生労働省は8日。6月の毎月勤労統計の結果を発表しました。現金給与総額は前年同月比2.3%の増加となりました。時系列で示します。
現金給与総額(単位円、前年同月比)
4月 289545(+0.8%)
5月 284998(+2.9%)
6月 462440(+2.3%)
6月はボーナスが支給される月なので、4月、5月と比べると支給額が増加しています。前年同期に対する増加率は、5月の2.9%と比べると、やや低下しています。しかし、5月の伸び率が「4月の引き上げに間に合わなかった部分」で上乗せされている可能性があるので、「6月の増加率」は賃金の順調な上昇を示したと言えます。
ただ、総務省が発表済みの6月の消費者物価指数は前年同月比で3.3%上昇しています。賃金の伸びは物価の伸びを下回っています。
6月の業種別賃金を見ると、
電気・ガス業が106万円(前年同月比-0.1%)でした。電気・ガス業は最も賃金が高い業種です。前年同月と比べると、伸び率は小幅マイナスです。
一方で、最も賃金の低い業種は飲食・サービス業で、14万円(+3.3%)でした。生活関連サービス業は26万円(+7.3%)でした。
増加率が最も高かった業種は不動産業で69万円(+27.5%)でした。
8月8日正午記