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「個別株物色中心の展開」

「日本製鉄、ニッスイ、ユニ・チャームが高い」

「消費財メーカー、値上げ実施で業績回復」

「"日銀・主な意見"――金融緩和のためのYCC修正」

 

 

8月7日の東京株式市場は、売り買い交錯の展開となりました。先週金曜日の米国株安を受けて、日経平均は一時360円ほど下げる場面もありました。下げ場面では押し目買いも入り、全体は下げ渋りました。

 

 

決算内容を考慮した個別株物色は旺盛です。7日は日本製鉄(5401)が大幅高となりました。

 

 

日本製鉄の「在庫評価差益を除く実力ベースの事業利益」

4-6月期(実績) 2500億円(過去最高)

9月上半期(計画) 4300億円

24年3月期(計画)8400億円(400億円上方修正)

 

 

日本製鉄は1日の高値を更新しました。時価総額は3兆2000億円程度です。同社の最終利益計画は4000億円ですので、予想PERは8倍程度になります。日本のバリュー株への関心は高いようです。

 

 

業種別では水産業が大幅高です。ニッスイ(1332)の上昇が水産業種を牽引しています。ニッスイは4日の午後取引時間中に決算を発表し、株価急伸です。

 

 

ニッスイの4-6月期

営業利益 97億円(+45%)

 

 

食品事業の営業利益が前年同期比で約2倍の72億円となりました。価格引き上げによる業績拡大です。先週来、山崎パン(2212)が急伸するなど、日本の消費財メーカーの中から、価格引き上げ効果への評価から上昇する株が見られています。消費財では、ユニ・チャーム(8113)が大幅高です。

 

 

                   ☆

 

 

日銀は7日、27日~28日に開催した金融政策決定会合における「主な意見」を公表しました。金融政策修正に関する主な意見を抜粋して、以下に引用します。

 

 

「今後も物価や予想物価上昇率の上振れ方向の動きが続く場合、金融緩和の効果が強まる一方、長期金利の上限を 0.5%の水準で厳格に抑えることで、債券市場の機能やその他の金融市場におけるボラティリティに影響が生じるおそれがある」

 

「先行きの物価見通しにおいて上下双方向のリスクがより大きくなっていることを踏まえると、それに対応できるようにイールドカーブ・コントロールの運用を柔軟化した方がよい」

 

「短期間で物価見通しが大幅に上振れるなど、経済・物価の不確実性がきわめて高い中、イールドカーブ・コントロールをより柔軟に運用していくことで、上下双方向のリスクに機動的に対応し、市場機能等にも配慮しながら、うまく緩和を続ける「備え」をするべきである」

「長期金利に上限を設ける中でインフレ予想が高まると、実質金利を通じた緩和効果が高まるが、同時に市場の不安定化といった副作用も強まる。物価環境に応じた長期金利の上昇をある程度認めることで、実質金利は安定し、一定の緩和効果を維持しながら副作用を抑制できる」

 

「現在の物価上昇は輸入インフレの域を出ておらず、多くの従業者が働く中小企業の賃上げモメンタム向上には、中小企業の「稼ぐ力」向上が重要である。イールドカーブ・コントロールの運用の柔軟化はそれを確認したうえで行う方が望ましい」

 

 

最後に掲載した意見は、中村委員による反対の意見と見られます。全体的には、今回の政策修正は「金融緩和政策を着実に進めるための政策柔軟化」と位置付けられています。

 

 

8月7日午後3時10分記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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