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「日本株続落」

「生成AI投資が拡大→従来型投資の減少呼ぶ」

HDD需要が急減、TDKNOKが下方修正」

 

 

8月3日の日本株は下げました。米国株安を受けて日本株も続落です。

 

 

4-6月期の決算内容を受けて、ネガティブな反応が目立ちました。業績見通しを下方修正したTDKNOKがともに大幅安です。両社とも記憶装置のHDDの需要が急減し、HDD関連部材が落ち込んだため、業績の下方修正を強いられました。

 

 

PC需要はもともと弱かったので、4-6月期のHDD需要は弱くて当然です。しかし、HDDは予想以上に弱く、落ちが急激である。その理由が興味深いので、ここに紹介します。

 

 

TDKによると、HDDの主要顧客であるCSP(クラウド・サービス・プロバイダー)の設備投資配分に大きな変化が生じて、HDDの需要が急激に落ち込んだとのことです。

 

 

クラウド・サービス・プロバイダーとは、クラウドサービスを展開する企業です。アマゾン、マイクロソフト、グーグル、IBM、オラクルなどが代表企業です。

 

 

生成AIの市場拡大を視野に、CSPが一挙にこの分野への投資を高めています。従来の計画を取りやめて、一気に生成AI開発の方に舵を切ったため、従来型のデータセンター向け投資が下振れてしまいました。従来型データセンター向けのHDDが急減しました。

 

 

それが、HDD需要短期急減の理由です。生成AIの開発を進めるためには、膨大なデータを処理しなければならず、将来的にデータセンターが拡充されてHDDの需要は発生します。しかし、CSPの投資配分の変化によって従来型分野の急減をもたらした事実を覚えておきたいと思います。

 

 

                   ☆

 

 

トヨタが記録的な利益を計上するなど、完成車メーカーの業績が高水準です。しかし、自動車の最終需要に比べて、自動車向けエレクトロニクス部品需要は物足りない状況です。

 

 

半導体不足時に自動車会社の生産がうまくいかず、生産を進めるため、部品供給会社・卸売会社は大量の在庫を用意して、供給に支障が出たいようにしていました。サプライチェーン問題が解消され、大量の在庫は不必要になりました。流通市場にたまった在庫の処理が優勢されます。在庫処理で需要が満たされると、部品の新規受注・生産が最終需要ほど増えなくなります。在庫調整の影響がエレクトロニクス業界の収益に影響しています。

 

 

8月3日午後3時10分記

 

 

 

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