「日本で半導体関連株が下落」
「米国AMD株は時間外取引で2.7%上昇...」
「東京市場の株価下落、需給的要因大きいか」
「4-6月期の船舶関連需要が急増」
8月2日の日本株は下げました。半導体関連株を中心にグロース株(高PBR)銘柄が下げました。ファーストリテイリングやオリエンタルランドなど、高PBR銘柄の下げが目立ちました。
米国時間1日に半導体メーカーのAMDが4-6月期決算を発表しました。4-6月期の売上高は53億ドルで、1-3月期と同水準でした。7-9月期の売上高は57億ドルを計画しています。AMDの株価は米国市場時間外取引で2.7%上昇しました。同社は時価総額1893億ドルの半導体巨大メーカーです。特に決算を嫌気した株価動向ではありません。2日の東京市場の半導体関連株下落は、需給的要因が大きいと考えます。
外食チェーンのゼンショーが前場中ごろから徐々に下げ幅を広げて大幅安になるなど、PBRの高い株を売り込む動きが見られています。一方で、自動車株、非鉄株、エネルギー関連株には高い銘柄が存在します。ポートフォリオ上の高PBR銘柄の比率を下げる一方で、資源株等を買う動きが出たのかもしれません。
昨日に決算発表を実施したトヨタが連日の高値を更新するなど、決算発表を重視した売買は活発です。山崎パン、アイホンも決算内容を手掛かりに買われました。
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スタンダード市場で内海造船(7018)がストップ高比例配分となり、大量の買い物を残しました。1日に発表された4-6月期の営業利益は約20億円となりました。業績計画は修正していません。会社側の24年3月期の営業利益の計画は7億円です。最初の3か月決算で、年間計画の営業利益の3倍近くの水準を確保しました。決算内容に驚いた投資家も多く、朝から買い物が膨らみました。
内海造船は、社名の通り、造船会社です。足元の利益急増から明らかなように、船舶需要に急速な変化が生じています。
31日には船舶用塗料を主力とする中国塗料(4617)が4-6月期の営業利益20億円(前年同期4億円の赤字)を発表しました。中国塗料は24年3月期の営業利益を従来計画の69億円に対して84億円に、年間配当金を37円に対して68円に上方修正しました。4-6月期における船舶需要の活況が、内海造船、中国塗料の決算動向から浮かび上がります。
2日のスタンダード市場では、阪神内燃機、名村造船所、寺崎電気産業など、船舶関連の事業を行っている銘柄が上昇していました。このあたりの流れが、プライム市場の三井E&Sや東京計器あたりに波及するかどうか、短期的トレーディングの次元では注目されます。
8月2日午後2時30分記