「アドバンテスト、一時1000円超下落後、下げ幅縮小」
「半導体関連株、総じて上昇」
「生成AI市場拡大>短期的業績悪化」
「決算発表銘柄急落には注意」
7月27日の日本株は上昇しています。4-6月期決算を発表したアドバンテストの株価下落が半導体関連株全般に与える影響が警戒されました。しかし、影響は限定的との認識が広がり、徐々に半導体関連株は買われる展開となりました。
半導体関連株について、短期的な業績悪化よりも、生成AI市場の拡大に伴う長期的な収益拡大を評価しようとの動きが強まったのは収穫です。
4-6月期の厳しい業績内容が発表されたアドバンテストですが、アナリストの評価は、総じて高い水準が維持されています。決算を受けたアナリストレポートの内容を引用します。
「アドバンテストは生成 AI 用 GPU の需要拡大による恩恵が最も高いとみる SoC(システム・オン・チップ) テスタで世界シェア 1 位。特に GPU 向けのシェアが高い。中長期的に業界平均を上回る成長を遂げうる企業」(三菱UFJモルガン・スタンレー)
「アドバンテストは、生成 AI 関連需要は SoC だけでなく、HBM(High Bandwidth Memory) も含めて今後の期待としている。中期的に HPC/AI というメガトレンドにおいて優位なポジションを有していること自体は変わらない」(SMBC日興)
☆
前日に続き、決算内容を嫌気して売られる銘柄が目立っています。プライム市場の値下がり率ランキング上位銘柄には、トプコン、サイバーエージェント、日産車体、日東電工、そして日産自動車など、前日の決算発表銘柄が並びました。
日産自動車の株価は25日に年初来高値を更新していました。26日の決算発表で2024年3月期の業績見通しは上方修正されました。しかし、株価は大幅下落です。
日産自動車は26日、今年度のグローバル自動車販売台数を370万台(期初計画比-30万台)に引き下げました。中国の販売台数を80万台(同-33万台)に引き下げ、それがそのままグローバル販売台数の引き下げにつながっています。
米国の大手自動車メーカーGMの発表では、4-6月期の中国市場全体の自動車販売台数は609万台(前年同期比+19.4%)でした。中国全体の自動車市場は成長しています。しかし、日産自動車の弱気な見通しを見ると、今後の中国消費に対する企業側の慎重な見通しが浮かび上がります。
今週月曜日、中国共産党は自動車や家電等の消費拡大策を明らかにしました。こうした個人消費促進策がいかに具体化するか、焦点です。
7月27日午後3時10分記