「原油関連株が高い」
「米国国家戦略備蓄、3年で47%減少→今後は備蓄増加へ転換か」
「香港ハンセン指数が大幅高」
「中国消費刺激策拡充なら、自動車株にメリット」
7月25日の東京株式市場は、全般的には売り買い交錯の展開となりました。原油先物市場の上昇を受けて「鉱業・石油などエネルギー関連株」が買われました。
米国のエネルギー情報局によると、直近(7月14日)の国家戦略備蓄(SPR)は3億4675万バーレルです。近年のピークは2020年7月10日の6億5614万バーレルでした。国家戦略備蓄は、ピークから約3年間で47%の大幅減少です。
米国政府は国家戦略備蓄を放出し、流通市場の原油量を増やすことによって、原油価格を抑制してきました。原油価格の上昇を抑え、物価上昇を鎮めるためです。
この原油備蓄放出策が転機を迎えたとの認識が広がっています。国家の大きな方針転換観測から、最近の原油価格は上昇に転じています。米国時間24日には約3か月ぶりの1バーレル79ドル乗せとなりました。原油価格上昇を受けて、米日の株式市場でエネルギー関連株が買われています。東京市場では、INPEX、日揮、ENEOS等が年初来高値を更新しました。
自動車株も引き続き買われました。昨日に業績予想の上方修正を発表した三菱自動車が3月9日に付けた高値575円を4か月半ぶりに更新しました。日産自動車も大幅高となり、連日の高値更新です。完成車メーカーでは、マツダ、スズキも高値更新、自動車部品メーカーにも高値更新銘柄が相次ぎました。
貿易統計で国産車の輸出拡大は確認済です。決算発表前の段階で日本の自動車関連株の業績好調を織り込む展開に入っています。
また、香港ハンセン指数が午前中に3%上昇していました。中国共産党が内需拡大に力を入れる方針を示したことが好感されました。中国共産党による消費支援策の好影響を受ける代表的業種は自動車産業でしょう。日本の自動車株上昇には、中国政府の施策が好感されている面もあります。
中国共産党の発表内容を以下に引用します。
「自動車、家電の消費を支援し、スポーツ・レジャー、文化・観光などのサービス消費を促す必要がある。政府投資の役割をより強め、地方債の発行・活用を加速させる必要がある」
「デジタル経済と製造業、サービス業の融合を推進する。AIの安全な発展を促進する」
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政府保有株追加売却の可能性が生じたNTTが下げました。仮に売却が実施されれば、短期的には需給面の悪材料が意識されます。しかし、大株主から政府がいなくなれば、基本的には好材料になります。政府よりも、もっと企業価値拡大を求める株主が増えるならば、株式会社は良い方向に向かうはずです。
7月25日午後3時20分記