「14日と17日の米国株は落ち着いた動き」
「決算発表銘柄、反応は良好・JPモルガンとユナイテッドヘルスが上昇」
「7月NY連銀製造業景況指数、プラス圏をキープ」
「6月の中国小売売上高は前年同月比3.1%増加」
7月17日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.2%、ナスダック指数が0.9%でした。前週末14日はNYダウが0.3%上昇、ナスダック指数は0.1%下落でした。東京市場の3連休中、米国市場は波乱なく推移しました。
14日に決算を発表した企業の株価を見てみましょう。JPモルガンが17日で7日続伸、ユナイテッドヘルス(UNH)は17日で2日続伸です。ユナイテッドヘルスは14日7.2%上昇、17日0.8%上昇と、NYダウ上昇の牽引役となっています。決算内容に対する反応は良好です。
NY連銀が17日発表した7月製造業景況指数は「+1.1」と6月の「+6.6」を下回りました。しかし、2カ月連続で好不況の境目である0を上回り、強い数字と受け止められています。
項目別では「支払価格」が「+16.7」(前月比-5.3)、「受取価格」が「+3.9」(同-5.1)となりました。いずれも前月比で低下し、物価上昇の抑制を裏付けるデータとなりました。
「先行き指数」は前月比4.6P低下の「+14.3」でした。前月比低下です。ただ、0を大きく上回っています。
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中国では17日、6月の重要経済指標が発表されました。時系列で示します。
中国小売売上高の推移
4月 3兆4910億人民元(+18.4%)
5月 3兆7803億人民元(+12.7%)
6月 3兆9951億人民元(+3.1%)
この6月のデータを見ると「前年同月比での伸び率が3%強にとどまった。4月の18.4%、5月の12.7%と比べると、明らかに増加率が低下している」との評価が多いかもしれません。
しかし、売上高水準は4兆人民限に接近する高水準です。4月の3兆5000億人民元弱、5月の3兆7800億人民元弱と比べると、水準はずっと上です。
念のため、1年前の2022年の4-6月の小売売上高を調べてみましょう。
中国の昨年(2022年)の小売売上高は?
4月 2兆9483億人民元(-11.1%)
5月 3兆3547億人民元(-6.7%)
6月 3兆8742億人民元(+3.1%)
上記のように、昨年は4月と5月がコロナ禍で落ち込み、6月は回復しています。ならば、そことの対比となる今年の「前年同月比」は、4月―5月と比べて、6月が弱くても、さほど問題ではないように見えます。
次に工業生産高です。こちらも時系列で見ます。
中国の工業生産高の推移
4月 +5.6%
5月 +3.5%
6月 +4.4%
自動車生産高
4月 201万8000台(+59.8%)
5月 230万7000台(+17.3%)
6月 256万4000台(+0.8%)
自動車生産高は、5月の前年同月比17.3%増加に比べて、6月は増加率が低くなっています。しかし、生産台数の水準は256万台で5月を25万台以上上回っていて、年間3000万台超ペースです。
次は、新エネルギー車の生産状況です。
中国の新エネルギー車生産高
4月 58万6000台(+85.4%)
5月 67万5000台(+43.6%)
6月 74万9000台(+27.6%)
今年に入って減速していた電気自動車の生産が回復してきました。新エネルギー車の月間生産台数のピークは、昨年12月の81万台です。6月は、その9割強の水準に回復してきました。
7月18日午前6時15分記