「米国株上昇、12日発表予定のCPI控え楽観論先行」
「"中小企業の販売価格引き上げ比率"、21年3月以来の低水準」
7月11日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.9%、ナスダック指数は0.5%でした。
今週は米国時間12日に6月消費者物価指数が発表されます。物価上昇の抑制を示す内容になるとして、株式市場では買いが先行しました。
11日終値は、NYダウが34261ドルです。52週高値34712ドルに対して約450ドル下です。ナスダック指数は13760Pです。52週高値13864Pに対して約100P下です。つまり、いつ52週高値を更新しても不思議ではない位置です。株価が高止まりしている事実を覚えておきます。
自営業の団体であるNFIB(全米独立企業連盟)が11日発表した、6月の中小企業楽観指数は91となり、前月比で1.6P上昇しました。NFIBでは「過去49年の平均である98を18か月連続で下回った」としています。
平均販売価格を引き上げた企業の割合は前月比で3%P低下して29%となりました。この水準は21年3月以来の低水準です。販売価格引き上げ鈍化のデータは、12日発表の消費者物価指数の上昇鈍化の読みにつながったようです。
発表元では「中小企業にとって、インフレと労働力不足引き続き大きな課題だ。中小企業は、在庫、人件費、エネルギーコストの上昇を転嫁するため販売価格を引き上げている」としています。
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ドイツの調査機関ZEWが11日、ドイツのアナリスト165人を対象とした7月のアンケート調査の結果を発表しました。メイン指標であるドイツの先行き景気指数は「-14.7」となり、6月比で6.2P低下しました。
ドイツのアナリストがドイツ株について、業種別にどんな見通しを示しているか、以下に示します。(カッコ内は前月比)
DAX指数 3.3(+2.0)
銀行 42.5 (+ 4.1)
保険 45.7 (+ 2.4)
自動車 -46.4 (- 8.4)
化学・薬品 -22.2 (- 9.4)
鐵鋼 -48.3 (-16.0)
電機 -7.1 (- 9.4)
機械 -37.1 (- 6.4)
小売 -35.0 (+ 1.2)
建設 -64.3 (+ 3.9)
公共 13.0 (+ 0.9)
サービス 20.2 (- 3.9)
通信 19.3 (- 3.3)
情報技術 52.8 (- 0.9)
ドイツのアナリストは金融株や情報技術関連株に強気な見方をする一方で、自動車、鉄鋼、機械など製造業の株価動向に対して弱気です。
7月12日午前6時20分記