「TSMC、6月売上高は前年同月比11%減少」
「半導体関連株が下げる」
「良品計画がストップ高、中国地域の利益が急増」
「中国の6月生産者物価指数、前年同月比5.4%低下」
7月10日の日本株は下げました。半導体関連株が下落して、日経平均を押し下げました。
後場の取引時間中にTSMCが6月の月次売上高を発表しました。1564億台湾ドル(前年同月比-11.1%)となりました。5月との比較では11.4%減少です。NVDAからのAI開発用半導体の受託生産増加が期待されましたが、その期待に届かなかったように見えます。今晩の米国市場でのNVDAへの影響が注目されます。
TSMCの月次売上高の推移(単位億台湾ドル、前年同月比)
1月 2000(+16.2%)
2月 1631(+11.1%)
3月 1454(-15.4%)
4月 1479(-14.3%)
5月 1765(-4.9%)
6月 1564(-11.1%)
5月の月次売上高が1700億台湾ドルを突破して、月次売上高底打ちの印象を強めていたのですが、6月は弱い数字です。
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良品計画(7453)が大幅高です。7日に発表された3-5月期決算の内容が好感されました。
良品計画の3-5月期
営業収益 1524億円(+20.8%)
営業利益 124億円(2倍)
四半期毎の時系列で見ても、3-5月期の営業利益の改善具合がわかります。
良品計画の四半期ごとの営業利益推移(単位 億円)
2022年度
3-5 59
6-8 79
2023年度
9-11 50
12-2 51
3-5(今回) 124
3-5月期においては、国内、海外とも利益が拡大しています。
良品計画の3-5月期得業利益(前年同期比)
国内 48億円(+26%)
海外 77億円(3.4倍)
特に海外事業の営業利益が高変化率です。東アジア(中国)事業の営業利益が88億円(前年同期比2.6倍増)です。
良品計画は、中国地域の営業利益が大幅改善しています。そして株価は大幅上昇です。中国経済に対してはネガティブな見方が多い現状ですが、企業収益面ではポジティブな要素が提供されたことは注目されます。
もちろん、中国関連の事業が全て楽観視できる状態ではありません。安川電機の中国向け受注の推移を以下に示します。
安川電機の中国向け受注
2022年度
3-5月 435億円
6-8月 374億円
9-11月 410億円
12-2月 232億円
2023年度
3-5月 317億円
今3-5月期の中国向け受注は317億円(-27%)となりました。前年同期比で大幅減少です。中国向け受注が良い状態ではありません。しかし、直前の四半期である12-2月期と比べると36%増加しています。受注水準は低いのですが、底打ちの感触が得られています。
日本時間午前10時30分に中国の6月物価指数が発表されました。
中国の6月物価指数
前年同月比 前月比
消費者物価指数 0.0% -0.2%
生産者物価指数 -5.4% -0.8%
特に生産者物価指数の厳しい下落が続いています。企業間取引価格の低下は、中国経済の弱さを印象付けますので、注意が必要です。
7月10日午後3時20分記