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「利益確定売り膨らみ、日本株は反落」

「豊田通商、投資評価引き下げ受け大幅安」

「脱CO2投資拡大、負担増加の面にも注意」

「東証グロース市場指数2.4%高、小型株が強い」

 

 

6月19日の日本株は下げました。

 

 

上昇してきた日本株に利益確定売りが膨らみ、下落場面が発生することは不思議ではありません。しかし、「何が起こったか」「なぜ下げたか」、常に考えることが重要です。「上がった後なんだから下がるのは当然さ」と思考を停止するのはやめようと思います。思考停止になると、動くべき時に動けなくなります。

 

 

だから常に考える。そんな観点で本日の下げを理屈付けすると、「総合商社の一角を占める豊田通商(8015)の株価下落が響いた」と考えます。

 

 

豊田通商は社名が示す通り、トヨタ系の総合商社です。トヨタの生産設備が電気自動車対応に作り替えられるという、スケールの大きな背景材料があります。トヨタ関連の生産設備刷新の必要性が生じれば、系列商社の豊田通商の「様々な地域から様々な部材を調達する仕事」が増えます。わかりやすい話です。昨年の安値は4200円台、16日に付けた上場来高値は7453円でした。

 

 

SMBC日興証券ではこのほど、豊田通商のレーティングを従来の「1」に対して「2」に引き下げました。目標株価は従来の7090円に対して6800円に引き下げました。「株価上昇で目標株価を上回る」ことを理由にした投資判断引き下げはよく得る話です。しかし、目標株価の引き下げには意外感がありました。

 

 

日興証券のレポートには「株主還元強化が見送られた」、「カーボンニュートラル関連投資のリターンは不透明と経営者がコメント」、「中長期のROE低下もやむなしと受け止められかねない」等とありました。

 

 

けっこう、重要な話題を提供したと思います。今後、様々な産業界において、脱二酸化投資の観点から投資が積極化します。基本的に、カーボンニュートラル投資は設備投資関連株、商社株等のビジネスにはプラスの影響を与えます。ただ、投資拡大は期待とともに負担の要素になります。豊田通商の筆頭株主であるトヨタが多大な負担の元に脱CO2投資を進めた時、豊田通商は多大な利益を得ることができるのか、考える価値があります。

 

 

株価上昇局面では、様々な事象に対する考え方も「良いとこ取り」に陥りがちです。時々は思考バランスを取り戻す作業が必要になります。

 

 

                   ☆

 

 

各種データを見ると、本日の株式市況の性格が見えてきます。

 

 

まず、TOPIX規模別株価指数です。大型株ほど下げています。

 

 

大型  -0.55%

中型  -0.37%

小型  +0.20%

 

 

次に市場別株価指数です。グロース市場指数の上昇率が、プライム市場指数と比べて高くなっています。

 

 

プライム市場指数   -0.43%

スタンダード市場指数 +0.52%

グロース市場指数   +2.48%

 

 

グロース市場指数の先週金曜日16日の上昇率は4.22%とプライム市場指数の0.27%を大きく上回っていました。19日も強い動きです。

 

 

ちなみに、5月末に対する16日終値の上昇率は、プライム市場7.96%に対してグロース市場指数は10.5%です。6月以降のパフォーマンスはグロース市場指数の方が上です。5月月間の上昇率は、プライム市場指数3.5%に対してグロース市場指数0.4%でした。

 

 

個別株物色意欲の強い中で、値動きの軽い小型株に資金が集まる傾向にあります。19日の東京株式市場では、大型株が売られる一方で、小型株が強くなりました。

 

 

6月19日午後3時20分記

 

 

 

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