「15日の米国株上昇」
「"米国経済の極端な悪化"への警戒感後退」
「"GDP上方修正"が効く」
「米国5月小売売上高、自動車販売が好調」
6月15日の米国株は上げました。上昇率は、NYダウが1.2%、ナスダック指数が1.1%でした。
6月FOMCを受けて、金融当局の考える物価動向、経済動向が明らかになりました。今後の投資を進める上での情報を把握した投資家が徐々にリスクを選好する展開となりました。
今回のFOMCでは、年内にあと2回の利上げを想定しているメンバーが多数派というデータが明らかになりました。しかし、データ次第の政策遂行が広く認識されているので、実際に利上げが進むと考えている投資家は少数派です。FED WATCHによると、年内に2回の利上げが実施される確率は6%です。
「米国経済が悪化しても利上げが続く」可能性は薄い、「利上げによって米国経済が極端に悪する」可能性は薄いとして、株を買う動きが活発です。そして「米国経済は悪化する」とのフレーズはずっと聞き続けてきたので、株価の新鮮な悪材料として作用しにくく、悪材料として作用しないので、株を買い戻す動きにつながっています。
FOMCにおいて、23年の米国GDP成長率が上方修正(0.4%→1.0%)されたことも株高につながっています。
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米国5月小売売上高が発表されました。前月比で0.3%の増加となりました。
米国の5月小売売上高
6865億ドル(前月比+0.3%、前年同月比+1.6%)
業態別に見てみましょう。まず、弱い分野です。(単位、%)
前月比 前年同月比
家具 +0.4 -6.4
家電 +0.2 -5.0
GS -2.6 -20.5
コロナ禍に販売が急増した分野の低調な状況が続いています。ガソリンスタンドの販売も大幅減少です。一方で、自動車関連などの販売は好調です。
前月比 前年同月比
自動車 +1.4 +4.4
食料品 +0.3 +3.1
無店舗 +0.3 +6.5
飲食店 +0.4 +8.0
日本時間15日に発表された5月の貿易統計において、米国向け自動車輸出は3600億円(前年同月比+81.9%)でした。「米国で自動車販売が好調。日本から米国向け自動車輸出が増加」の事実がデータから確認されました。4-6月期の業績動向を予想する上で参考になります。
6月16日午前5時20分記