「半導体関連株上昇、日経平均33000円乗せ」
「トヨタが大幅高、全固体電池搭載EVを27年投入」
「法人企業景気予測調査、業況改善、しかし、経常利益下方修正」
6月13日の日本株は上昇しました。米国市場における半導体関連株の大幅上昇を受けて、東京市場でも半導体関連株に活発な買いが入りました。アドバンテストが5日に付けた高値を約1週間ぶりに更新、ソシオネクストが連日の大幅高です。
世界的なAI開発熱の盛り上がりが中期的な半導体需要を高めています。13日は、ファンドを通じてAI関連株に積極投資しているソフトバンクグループも大幅高となりました。「AI」をキーワードに、人気株の裾野が広がっています。
「全固体電池搭載の電気自動車を27年に投入する」と報じられたトヨタも大幅高です。
AI分野でもEV分野でも、次世代の製品開発需要増加を呼ぶ点で共通します。新製品を生む出すための投資が増加して、新しいサービスが生まれ、それが新しい需要を生み出す。当面の景気後退懸念は確かに存在するかもしれないが、10年単位の世の中の変化と比べれば短期的な景気後退は些細な話である――そんな観点から株式が人気です。
本日、業種別株価指数で、上昇率トップとなったのが輸送用機器です。2位に卸売(商社)が付き、3位電気機器、4位機械、5位ゴムとなりました。新型電池の搭載自動車の市場投入によって、自動車業界の活性化が図られる。電池生産の拡大に伴い、商社やエレクトロニクス企業の仕事が増える。自動車市場が活性化するならタイヤ需要も増える――本日のトヨタ株の大幅上昇は様々な業界における様々な好材料を引っ張り出しました。
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4-6月期における法人企業景気予測調査が発表されました。「大企業全産業」の現状判断指数は「+2.7」となり、前回調査の+0.7を上回りました。7-9月期の見通しは「+8.6」でこちらも前回調査の「+5.2」を上回っています。業況判断は3か月前と比べると改善しています。6月調査の日銀短観の業況判断指数も上向きになる可能性が高まります。
業種別判断指数を見ると食品と化学の改善が目立ちます。
食料品製造業 +11.4(前回調査-23.6)
化学工業 +5.2(同 -17.3)
この2業種の急改善は、価格転嫁によって、日本の産業界の業況判断が向上していることを示します。
短期的な業況判断は良くなっているのですが、利益予想は悪化しています。
経常利益の見通し(前回見通し)
全規模
全産業 -4.4%(-1.2%)
製造業 -9.9%(-3.1%)
非製造業 -2.4%(-0.3%)
全産業の売上高見通しは+2.7%です。前回予想の+2.6%をわずかに上回っています。業況が改善して売上高見通しも前回予想以上を確保しています。しかし、経常利益見通しは下方修正されました。人件費等の経費増加が利益見通しを圧迫していると想定されます。
6月13日午後3時10分記