「半導体関連株、昨日に続き軟調」
「来週に重要イベント控える」
「金融政策よりも景気実勢に関心」
6月8日の日本株は、軟調な展開でした。半導体関連株を軸に主力株に売りが先行しました。
株式投資で仮の話をしても意味はないかもしれませんが、1週間前の5月31日の急落場面で主力株を買った投資家は成功したと思われます。翌6月1日から4日続けて日経平均は上昇しましたからね。
その"成功体験"があるので、昨日7日の大幅安場面で日本株を買った投資家も多かったでしょう。約定注文の数だけ、売りと買いがあるので、売りが多ければ、買いも増えて当然ですけど...
日本証券金融の「融資残」というデータがあります。信用取引の買い注文を受けた証券会社が、その注文について日本証券金融からの融資で賄った部分です。融資残の増加銘柄は、信用取引の買い方の需要が多いことを示します。
昨日7日、三菱商事、三井物産、伊藤忠、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト等、売買代金上位銘柄の多くで融資残が増加しました。下落した主力株に対して、信用取引を活用して買った投資家が多かったということでしょう。先週水曜日の株価下落時の学習効果が働いています。
しかし、本日の日本株は続落しました。短期的な戻りを狙った買い方の回転が効かないと、当面の動きがやや鈍くなる可能性が出てきます。
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来週に米日の金融政策決定の場を控えるなど、重要イベントを控えています。
現状では、6月FOMCにおける利上げ確率は約33%です。3分の1の確率で利上げが行われます。6月に利上げが見送られても、7月に利上げが再び実施される可能性があります。
7月FOMC後の政策金利については、「6月も7月も利上げはない」の確率が32%、「どちらかの会合で1回利上げが実施される」が50%、「6月と7月に連続利上げ」が17%です。「データ次第なので、現時点では決め打ちはできない」が市場の本音のようです。
どちらにしても利上げは最終局面でしょうから、6月FOMCで利上げが実施されても、マーケットは混乱しないと考えます。むしろ、米国の5月小売売上高の動向等、景気指標が注目されます。
1か月前に発表された4月の小売売上高は、前月比+0.3%、前年同月比+1.6%でした。物価が5%上昇している中で、米国消費はさほど強くないように見えます。金融政策よりも景気動向に関心が移っていると考えます。
6月8日午後3時20分記