「日本株の上昇続く」
「総合商社株大幅上昇、連日の新高値」
「三菱重工、川崎重工、IHIが高い」
「平田機工、電気自動車関連の大型受注を発表、大幅高」
6月6日の日本株は上昇しました。急ピッチな上昇に対する警戒感から、朝方は売りが先行しました。しかし、下げた場面で買う勢力の強さを意識する形で、徐々に買いが優勢になりました。日経平均はだんだんと上昇幅を広げました。
設備投資関連株を買う動きが旺盛です。本日は、三菱重工、川崎重工、IHIが大幅上昇です。
3社とも大型エネルギー・環境設備を軸に様々な産業向けの設備納入を主力としています。。半導体製造装置メーカーのディスコも約1週間ぶりの年初来高値更新です。設備投資関連株を買う動きがスケールアップしています。
機械業種では、平田機工(6258)も大幅高です。平田機工は自動車や電機産業向け工場ラインの受注生産を主力としています。同社は5日、「電気自動車関連設備の大型案件受注」を発表しました。合計受注額は80億円超としています。
平田機工の2023年3月期の受注高は937億円(+7.6%)でした。このうち、自動車関連受注は381億円(+4.8%)でした。電気自動車関連設備は、同社が17年3月期から手掛けている、比較的新しい分野です。中期的な電気自動車関連受注の増加を期待する投資家の買いを集めています。
先週来、米国で電気自動車向け電池の大幅増産を発表したパナソニックの株価が急伸し、かつ米国電池工場の増設を発表したトヨタの株価も強い反応となっています。
短期的な世界企業の業績動向には不透明感が強いとしても、中長期における環境対応市場の拡大を味方につける企業の収益に対する期待は大きい状況です。それが株価を支えています。
かつて平田機工の会社説明会において、会社側では「電気自動車市場には異業種からの参入が活発になる」との趣旨の話を伺いました。米国が電気自動車の一大生産基地になった場合、他業種における企業の自動車市場参入も予想されます。
電気自動車市場拡大となれば、総合商社の関連ビジネスも拡大します。本日も三菱商事、三井物産、伊藤忠は買われ、連日の上場来高値更新です。商社株では、トヨタの生産基地増強によって、より直接的な恩恵を受ける豊田通商も上昇しました。「電気自動車増産」が株式市場の重要なキーワードです。
重工業メーカーや総合商社は、PBRやPER面の投資尺度でもグローバル観点では低い株です。日本株の組み入れを行っている海外投資家は、投資尺度面で納得できる日本株を積極的に買った、それが本日の動きと考えています。
6月6日午後3時20分記