「日経平均693円高」
「コマツが5%高、日立建機7%高」
「総合商社株が1週間ぶりの高値」
「OPECプラス、減産を継続」
「原油在庫、SPRが大幅減少」
6月5日の日本株は上昇しました。米国株高を受けて、3日土曜日午前6時における日経平均先物の終値は31970円。日経平均の終値は32217円(693円高)でした。
2日のNYダウ採用銘柄上昇率ランキングでは、1位がスリーエム、2位がキャタピラーです。この2銘柄は8%も上昇しました。東京市場でも、キャタピラーの大幅高を参考に、コマツが5%高、日立建機は約7%高、建設機械メーカーが大幅上昇しました。
4月の貿易統計において、建設機械・鉱山機械の世界向け輸出額は1485億円(+10.4%)となりました。
建設・鉱山機械輸出(4月)
世界向け 1485億円(+10.4%)
米国向け 763億円(+32.4%)
中国向け 12億円(2.1倍増)
ASEAN向け 113億円(-5.4%)
中東向け 39億円(+27.9%)
輸出総額の5割以上を米国向けが占めています。インフラ整備の拡充を受けて、米国向け輸出が好調です。建設機械メーカーの株価は、米国景気と連動性が高いと考えられます。
景気敏感株が活発に買われました。総合商社株についても、三井物産、三菱商事、伊藤忠等が5月29日に付けた上場来高値をそろって更新しました。
原油関連株も買われました。OPECプラスにおいて、減産が24年末まで延長されました。サウジアラビアは独自減産します。
米国エネルギー情報局が発表している原油在庫は、興味深いデータを示しています。
米国SPR(戦略原油備蓄)の推移
2020年7月10日 6億5614万バーレル
2020年末 6億3808万バーレル
2021年末 5億9368万バーレル
2022年末 3億7238万バーレル
23年5月19日 3億5794万バーレル
26日 3億5543万バーレル
上記のように、米国のSPR(戦略原油備蓄)は、2021年以降、大幅に減少しています。20年7月の6億5614万バーレルが3年足らずの間に3億5000万バーレル台まで減少しています。3年足らずで約45%の大幅減少です。
米国が戦略原油在庫の市場への大量放出を続けていることがわっかります。バイデン政権は「原油価格上昇の抑制・物価上昇の抑制」のためにSPRの放出を活用しています。
一方、商業原油在庫も見てみましょう。
米国商業原油在庫の推移
2020年7月10日 5億3168万バーレル
2020年末 4億9346万バーレル
2021年末 4億1999万バーレル
2022年末 4億1895万バーレル
23年5月19日 4億5516万バーレル
26日 4億5965万バーレル
こちらは、この2年半の間、横ばいですね。SPR放出が原油流通市場に与える影響が大きいと考えます。
6月5日午後3時20分記