「日経平均小幅高」
「半導体関連株人気、"リード役"の次は?」
「データセンターがキーワード、フジクラ、日東工業、関西電力...」
5月30日の日本株は小幅高でした。リード役のアドバンテストは本日も高値を更新しましたが、半導体関連株の中には、上値が重くなる銘柄も見られます。時価総額9兆円の東京エレクトロンなど「日本の代表大型株」よりも、時価総額の一桁小さい銘柄などを買う動きがみられます。
例えば、時価総額3000億円台のフジクラ(5803)が約4%高、連日の高値更新です。前にも書きましたが、中期計画において、データセンターに使われる光部品を伸ばす考えです。今年度24年3月期は減益計画ですが、25年3月期、26年3月期の増益計画を示しています。
フジクラのように、半導体市場拡大のテーマに乗り、かつPERやPBRの低い銘柄に人気が回るようです。
エヌヴィディアの半導体がAI開発市場において大きく成長する――AI開発のためにはAIが学ぶための大量のデータが必要である――大量のデータ処理のためにはデータセンターが必要である――データセンターの省エネ化のために、節電機能に秀でた半導体が必要になる―――これらのサイクルに関係している企業が人気化しやすい――それがいまの株式市場です。
本日は日東工業(6651)が6%高、プライム市場の上昇率上位に入り、年初来の高値を更新しました。時価総額約1300億円の企業です。
日東工業は、キャビネットや配電盤のメーカーです。データセンターにおける情報通信機器の収納に使われるキャビネットを供給しています。光ファイバーの接続に使われる「光接続箱」も手掛けています。光ファイバー関連ビジネスはフジクラと共通する面があります。
「データセンター」をキーワードに、関連ビジネスを行い、かつPBRやPER面で評価余地のある企業を探す手法が有効になります。
データセンター関連の最近のニュースでは、関西電力(9503)が22日、米国のデータセンター運用業者であるCyrusOne(サイラスワン)社と共同で、大規模データセンターの運営会社を設立すると発表しました。10年間で1兆円以上を投資します。
関西電力の株価は22-24日にかけて累計で7%近く上昇しました。電力会社の株価もデータセンター事業拡大の発表を受けて上がります。関西電力が1兆円を投じ、どのような会社がそれをビジネスの対価として得るのか、その追求が株式市場では役立ちます。
5月30日午後3時20分記