「日経平均先物、夜間取引で31290円(+260円)まで上昇」
「NYダウ安く、ナスダック高い」
「日本株上昇、実際は高PBR銘柄が牽引」
5月22日の米国株は、NYダウが0.4%下げる一方で、ナスダック指数は0.5%上昇しました。小型株の値動きを示すラッセル2000は1.2%上昇しました。債務上限問題の行方を意識する展開が続いています。
米国時間における日本株需要は旺盛です。大証の日経平均先物夜間取引では、高値が31290円(通常取引終値比+260円)まで上昇しました。この高値を付けたのは日本時間23日午前3時42分です。米国金利高・ドル高を受けて、日経平均先物が買われました。午前6時の夜間取引終値は31190円(+160円)でした。
日本株の位置を確認する上で、直近の世界の株価指数が昨年末と比べてどのような位置にあるか、調べてみました。
昨年末 22日終値(変化率、%)
日経平均 26094 31086(+19.1)
TOPIX 1891 2175(+15.0)
NYダウ 33147 33286(+0.4)
ナスダック 10466 12720(+21.5)
ラッセル2000 1761 1795(+1.9)
DAX 13923 16223(+16.5)
FTSE 7451 7770(+4.2)
ハンセン 19781 19678(-0.5)
足元では日本株の上昇が話題ですが、昨年末との比較で見れば、ナスダック指数よりもアンダーパフォームしています。もっとも、ナスダック指数については、昨年22年1年間で33%も下落しているので、反動が効いていると捉えられます。
日経平均の上昇率はTOPIXを上回っています。ドイツDAX指数の上昇率は、日経平均とTOPIXの中間に位置します。イギリスFTSEは弱い動きです。資源株の難航な動きが影響しています。
グローバルに見ても、日本株の上昇は並外れた上昇という訳ではありません。
今年の日本株の上昇を説明する場合「低PBR銘柄のかさ上げ」を意識するケースが多いのですが、実際は日経平均のパフォーマンスがTOPIXを上回っています。日本株について、細かく見てみましょう。
昨年末 22日終値(変化率、%)
日経平均 26094 31086(+19.1)
TOPIX 1891 2175(+15.0)
プライム 973 1119(+15.0)
スタンダード 995 1082(+8.7)
グロース 927 958(+3.3)
プライム、スタンダード、グロースの市場指数を見ると、大型株ほど高い上昇率を記録しています。ここで言うグロース市場指数は「成長・高PBR」の意味合いではなく「プライムやスタンダード市場上場前の段階の企業」と位置付けます。
TOPIXをバリュー(低PBR)とグロース(高PBR)に分けて見てみましょう。
昨年末 22日終値(変化率、%)
バリュー 2059 2336(+13.4)
グロース 2478 2891(+16.6)
TOPIXバリュー株指数の上昇率がバリュー株指数を上回っています。低PBRの是正をテーマとしてきた日本株と言われますが、実際は、高いPBRのグロース株の上昇が日本株上昇の主要因に作用しています。
5月23日午前7時10分記