「ゼネコン株、決算発表受けて下落」
「建設工事量は増加、しかし工事採算面では苦戦」
「"建設コスト低下・作業時間短縮"が株式市場でも重要テーマに」
5月11日の東京株式市場は、売り買いが交錯する展開となりました。
決算内容を受けて、個別企業の活発な売買が見られています。本日は、ゼネコン株の下落の下落が目立ちました。
大林組(1802)が11日、23年3月期決算を発表しました。
大林組の24年3月期業績計画
売上高 2兆2800億円(+14.9%)
営業利益 740億円(-21.1%)
売上高は15%近く増えるのに、営業利益は2割を超える減益です。前期に不動産開発関連の利益が増加した反動が大きな要因ですが、工事採算の悪化も影響しています。
今年度の大林組の営業利益は「完成工事高の増加」が前期比で136億円の増益要因となる一方で、「完成工事総利益率の低下」が149億円の減益要因として作用します。つまり、工事量が増加することに伴う増益要因よりも、工事利益率悪化に伴う減益要因の方が大きいのです。
清水建設も午後1時に決算を発表し、こちらも株価は下げました。
建設用棒鋼を主力とする東京鐵鋼(5445)は今年度。約5割の営業増益を見込んでいます。建設に使われる鋼材の価格が上昇して、ゼネコンの利益率は上がらない、それが現状なのでしょう。
建設労働関連の経費等も当然、上昇が予想されます。建設コストの増加は、今後、工事代金の上昇へとつながるのでしょう。
東京鐵鋼は建設関連のコストを削減し、建設時間を圧縮させる建材の提供によって収益を拡大させています。労働者不足が予想される日本では、「建設現場のコスト削減・作業の効率化」が重要な命題となります。この観点のテーマ株が有望でしょう。建設ロボットを目にする機会も多くなりました。
5月11日午後3時20分記