「金利低下、大型IT株上昇し、ナスダック指数高い」
「4月CPI、前年同月比4.9%上昇、コアは5.5%上昇」
「TSMCの4月売上高は前年同月比14%減」
「半導体・電子部品、在庫調整真っ盛り」
5月10日の米国市場では、NYダウが0.09%の下落率、ナスダック指数は1%の上昇率となりました。
米国労働省は10日、4月の消費者物価指数を発表しました。前年同月比では総合で+4.9%、コア(食品・エネルギーを除く)で+5.5%となりました。
4月消費者物価指数(%、カッコ内は3月)
前年同月比 前月比
総合 +4.9(+5.0) +0.4(+0.1)
食品 +7.7(+8.5) +0.0(+0.0)
エネルギー -5.1(-6.4) +0.6(-3.5)
コア +5.5(+5.6) +0.4(+0.4)
アパレル +3.6(+3.3) +0.3(+0.3)
新車 +5.4(+6.1) -0.2(+0.4)
中古車 -6.6(-11.2) +4.4(-0.9)
住居関連 +8.1(+8.2) +0.4(+0.6)
3月と比べて、物価の上昇率はわずかに鈍化しています。食料品の上昇率鈍化が特徴です。10年債利回りは0.08%Pほど低下して3.43%台となりました。
金利低下を背景に、大型IT株の上昇が目立ちました。アルファベット(グーグル)が4%高、アマゾンが3.3%高、アップルが1%、マイクロソフトは1.7%上昇です。大型グロース株の上昇がナスダック指数を牽引しました。
☆
TSMCは10日、4月の月次売上高を発表しました。前年同月比で14.3%の大幅減少です。TSMCの10日米国市場における株価は前日比0.19%安でした。売上高を月毎に示します。
TSMCの月次売上高(億台湾ドル、前年同月比)
1月 2000(+16.2%)
2月 1631(+11.1%)
3月 1451(-15.4%)
4月 1479(-14.3%)
3月に続いて、前年同月比で15%前後の減少となりました。半導体の在庫調整が続いています。日本の電子部品会社の決算も総じて厳しい内容でした。
ただ、先行きの出来事を織り込んでいくのが株式市場です。今はまさに半導体・電子部品の在庫調整真っ盛りの時期ですが、出荷の底打ち感触が強まる時期に先駆けて、株価は徐々に浮上すると考えます。
電子部品業界のアナリストからは「6月くらいから徐々に回復してくるのではないか」との見方がありました。
現状は、スマホ・PC向けの電子部品・半導体の在庫調整が本格化しています。つまり、スマホ・PCの需要が増加してくると、在庫調整の終了時期が見えてきます。秋のアップルの新製品向け需要が世界の半導体工場を動かすのが7-9月期です。その準備段階となる6月に半導体・電子部品の需要が徐々に回復に向かうとの仮説を頭の中に置いておきます。
5月11日午前5時30分記