「9日の米国株は小幅安」
「一部の日本企業では"配当革命"の動き」
「丸井グループ、DOE(株主資本利益率)8%を発表」
「世紀東急もDOE8%に」
「還元方針変更企業、PTSでの大幅上昇が目立つ」
5月9日の米国株は小幅安でした。下落率は、NYダウが0.1%、ナスダック指数は0.6%でした。米国時間10日に4月の消費者物価指数の発表を控えています。
NYダウ採用銘柄における上昇率トップはボーイングでした。航空機の大型受注が好感されました。
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日本では決算発表が活発です。今回は、決算と同時に企業側から「企業価値向上に向けた施策」が発表されるか、高い関心が向かっています。低PBR是正に向けた施策を公表する企業がどのくらい登場するか、大きな注目点です。
丸井グループ(8252)は9日、「資本政策の変更」を発表しました。株主資本配当率(DOE)8%を目安にすると発表しました。株主資本に対して8%の配当を実施する、極めて高い配当率です。
企業が利益を上げれば、株主資本が積み上がる。その株主資本の額と比例して配当額が増加する、となれば、投資家は中期的な配当増加の期待を描きやすくなります。DOEを採用する企業が増えています。
丸井グループの前23年3月期末の1株純資産は約1300円です。今24年3月期の年間配当金は101円(23年3月期は59円)に増加する見通しです。101円は1300円に対して7.78%に相当します。丸井のロゴ(OIOI)と101円の配当はもちろん関係ないのでしょうが、大幅な増配が関心を呼び、PTS市場でも大幅高となっていました。
建設会社の世紀東急(1898)も9日、株主還元方針の変更を発表しました。「配当性向100%、DOE8%」を目標とします。この導入に伴い、24年3月期の配当金は90円(23年3月期30円)に引き上げます。
このように、日本企業の一部では「配当革命」が起きています。株主が得る配当水準が大きく切り上がる企業の株価が上昇する動きが見られるようになり、その株価の動きが短期投資家の関心を高めています。
5月10日午前6時10分記