「米国市場は小動き」
「日本電産、24年3月期1.9%減収、営利は2.2倍増」
「日本電産の株価、時間外で3%ほど上昇」
「中国の電気自動車市場、成長率が鈍化」
「ファーストリパブリック銀行が時間外で急落、3月末預金が3か月で約6割減少」
4月24日の米国株式市場は小動きでした。NYダウが0.2%上昇する一方で、ナスダック指数は0.29%下落しました。
米国10年債利回りは、一時先週末と比べて0.06%ほど低い3.50%台まで低下しました。先週からのレンジは、10年債利回りが3.50~3.63%、NYダウが33670~34000ドル、ナスダック指数が11960~12250です。マーケット全体の動きは限定的となっています。
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日本電産が24日、23年3月期の決算を発表しました。24年3月期の業績計画は減収増益です。
日本電産の24年3月期業績見通し
売上高 2兆2000億円(-1.9%)
営業利益 2200億円(2.19倍)
23年3月期に構造改革費用757億円を計上しています。今24年3月期の増益幅は約1200億円です。構造改革費用を除くと、約440億円の増益幅、実質的には25%程度の増益の計算になります。
ドル円相場の前提は120円です。為替面は保守的な前提です。減収下で、固定費削減等の効果によって増益を見込んでいます。
日本電産の株価は、時間外取引において、3%ほど上昇しています。薄い商いのもとでの株価ですが、取り敢えず、大幅な増益に対して、買いの評価をする投資家の動きが優勢になっているようです。
日本電産の今年度減収計画は、広く世界のマーケットを見る上で、重要な情報です。ドル円120円の前提ではありますが、自動車、産業機械、家電の幅広い分野で使用されるモーター類で強い競争力を持つ企業の売上高が前期割れです。今年度の世界景気は厳しいのです。
日本電産では中国の電気自動車市場について「2023年は補助金終了もあり、台数ベースの増加は継続するものの、成長率は減少が予想されており、成長は踊り場を迎える可能性が高くなっています」(決算短信から引用)としています。
非常に重要なコメントです。中国の電気自動車市場の成長率が短期的に鈍化しています。国家統計局発表の工業生産高における新エネルギー車の生産動向にもそれが反映されています。
中国の新エネルギー車の生産動向
9月 75万8000台(2.1倍)
10月 75万2000台(+84%)
11月 75万6000台(+60%)
12月 81万台(+55.5%)
1-2月 97万台(+16.3%)
3月 66万8000台(+33.3%)
昨年10-12月期と比べると、今年の電気自動車の生産台数が減少しています。
念のため、自動車の生産台数全体も以下に示します。新エネルギー車を除いた市場は順調です。ガソリン車市場は強いとの事実を覚えておきます。
中国の自動車生産台数
10月 255万9000台(+8.6%)
11月 242万3000台(−9.9%)
12月 248万8000台(-16.7%)
1-2月 365万3000台(-14.0%)
3月 260万8000台(+11.2%)
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ファーストリパブリック銀行(FRC)の株価が、時間外取引で20%下落しています。米国時間24日引け後に決算を発表しました。3月末の預金は1044億ドルと昨年12月末の1764億ドルに対して約6割の水準に減少しました。予想された事態でしょうが、投機筋が体質の弱い米銀の売り直しを画策しているようです。
4月25日午前6時20分記