「米金利低下、ドル安円高受け日本株安い」
「鉄鋼株、業種別で下落率トップに」
「米国の鉄鋼株急落を警戒」
「中国の鉄鋼需要期待に変化は出るか」
4月5日の日本株は下げました。米国の経済指標の悪化を受けて、米国市場において金利低下、ドル安が進みました。日本株は「金利低下・ドル安」の時に相対的パフォーマンスが悪くなります。そんな観点から、売りを先行させるトレードが目立ちました。
今週に入ってから発表された米国の経済指標が悪化しています。ISM製造業景況指数は46台となり、2月の米国の求人件数が前年同月比14%の減少となりました。悪い経済指標が世界景気の悪化懸念を増幅しました。早朝版で書いた米国市場における鉄鋼株の下落を再掲します。
ニューコア 143.83ドル(-10.62ドル、-6.88%)
USスティール 24.82ドル(-1.51ドル、-5.73%)
スティール ダイナマイト103.29ドル(-9.88ドル、-8.73%)
東京市場でも鉄鋼株が売られました。業種別では、鉄鋼、石油、卸売(商社)の下落率が大きくなりました。
日本の鉄鋼株は、中国における鉄鋼需要の増加期待を受けて、今年の株価は大きく上昇していました。
本日の段階では、日本の鉄鋼株への売りは、米国市場の鉄鋼株下落を参考にした短期的取引によるものと捉えられます。中国における鉄鋼需要増加期待が剥げ落ちるような状況になったら、要注意ですが、まだその段階とは言えません。
上海先物市場では、鉄鋼などの取引が行われています。ホットコイルの価格は、3月上旬の1トン4430人民元に対して、今は4100人民元前後で取引されています。
米国の鉄鋼大手ニューコアの4日終値は143.83ドルです。52週レンジは100~188ドルです。今の株価は52週レンジのほぼ真ん中ですね。また、同じくUSスティールの4日終値は24.82ドルです。52週のレンジは16ドル~38ドルです。今の株価はレンジの中心値27ドルを割り込んだ水準です。
日本の鉄鋼株は、中国の鉄鋼需要増加がアジア市況に及ぼす好影響やPBR1倍割れ銘柄の人気を受けて大きく上がりました。米国鉄鋼株とはそもそも違った動きをしてきましたが、短期的には米国鉄鋼株の動きに関心が注がれそうです。
4月5日午後3時15分記