「中国市場関連株軸に日本株上昇」
「アリババ14%高→ソフトバンクグループ6%高」
「ファストリ、資生堂も高い」
「アリババの企業分割参考に...」
3月29日の日本株は堅調な展開でした。前日の米国市場において、中国のネット販売大手アリババの株価が14%も上昇しました。テンセントやバイドゥ、JDドットコムを含めた中国消費関連株が軒並み高となりました。中国景気との連関性の強い日本株も堅調な展開となりました。
アリババは、会社の事業を6つに分割することが好感されました。アリババの株価上昇を受けて、アリババや中国ネット関連企業の株式を保有するソフトバンクグループが大幅高となりました。
また、中国を重要な市場するファーストリテイリング、資生堂、コーセー等も上昇しました。
中国経済と日本株との連関性の強さが意識されます。31日に発表される中国の3月PMIの内容等は、4月以降の日本株動向を考える上で重要です。
アリババの会社分割が投資家・株主から前向きに評価されました。1つ1つの事業が仮に上場して時価総額が明らかになれば、アリババグループ全体の企業価値はもっと評価されてもよい、と判断されたようです。
東京市場の銘柄では、楽天グループの企業価値を考える上で参考になるのかな、と思いました。前もって言っておきますが、楽天グループの株価は29日に動いたわけではありません。
楽天グループの2022年12月本決算のセグメント情報を見てみましょう。
楽天グループの2022年12月期
インターネットサービス 782億円
フィンテック 987億円
モバイル 4928億円の赤字
インターネットサービスとフィンテック事業(金融事業)は黒字ですが、モバイル事業が大幅赤字なので、連結営業損益は3000億円を超える赤字です。
安定して稼ぐインターネットサービス事業とフィンテック事業を抜き出して企業価値を測るならば、各々が1兆円規模で評価されても不思議ではありません。
しかし、携帯電話事業の大幅な赤字が全体の企業価値を押し下げています。だから、今の楽天グループの時価総額は1兆円にも届いていません。
仮の話ですが、携帯電話事業の売却等の表明があれば、ひとまず投資家は前向きな評価をする可能性が高いだろうと考えています。仮の話なので、これは投資に役立つ情報ではありません。ただ、企業価値(時価総額)を考える上での基本は、行っている事業にどのぐらいの価値があるのか、そこになります。企業のセグメント利益を見て、その事業ごとの時価総額を測ってみる試みも有効です。
3月29日午後3時10分