「米国銀行株高・原油高を受け、日本でも金融株・エネルギー株が高い」
「3月期末権利落ち→当面のかく乱要因」
「12月本決算銘柄、相対的パフォーマンスが良くなるか?」
3月28日の日本株は、全体的には小動きとなりました。米国における銀行株上昇を受けて、日本でも銀行株が上昇しました。米国金利の上昇を背景に保険株も上昇です。原油価格の大幅上昇を受けて、エネルギー関連株も上昇しました。一方で、金利上昇に弱いナスダック株式の下落を受けて、東京市場でもグロース株(高PBR銘柄)が軟調となりました。米国市場の特徴をそのまま反映した株式市場となりました。
銀行株は後半にやや伸び悩みました。上昇率は、三菱UFJが1.7%、三井住友FGが2.6%、みずほFGが2.4%でした。メガバンク3行よりも高い上昇率となったのがりそなHDです。りそなHDは4.0%の上昇率です。
直近高値から昨日終値までの下落率は、三菱UFJ17%、三井住友18%、みずほFG17%でした。そして、りそなHDは24%でした。本日は、相対的に下落率が大きかったりそなHDの上昇率が高くなりました。下げの大きい銘柄を買う「リターン・リバーサル」的な発想によるものでしょう。
金融問題が和らいだままならば、「3月10日~24日における下落率の大きかった株」の戻りを狙う手法は有効に見えます。
ただ、日本株には、3月期本決算銘柄について「29日権利付き最終日、30日権利落ち日」という季節要因を迎えます。「配当の魅力の大きかったバリュー株」については、それだけ、「配当の権利が落ちた時の材料出尽くし感」も強くなります。短期的には、それがかく乱要因になります。
それでは、配当に関するかく乱要因のない12月本決算企業の株価はどんな状況なのか。主な12月本決算企業の1週間前(20日終値)と比べた28日終値の比較を見てみましょう。
20日終値 28日終値 騰落率
アサヒG 4672円 4825円 +3.2%
ブリヂストン 5028円 5224円 +3.8%
ヤマハ発 3135円 3280円 +4.6%
JT 2703円 2776円 +2.7%
花王 5090円 5117円 +0.5%
大塚HD 3918円 4140円 +5.6%
中外製薬 3311円 3268円 -1.2%
資生堂 5871円 6011円 +2.3%
AGC 4750円 4785円 +0.7%
クボタ 1920円 1900円 -1.0%
ルネサス 1773円 1771円 -0.1%
キヤノン 2857円 2873円 +0.5%
同期間の日経平均の上昇率は約2.1%です。上記の12月本決算銘柄の株価は、日経平均を相対的に上回る値動きの銘柄もあれば、下回る銘柄もあります。日経平均を上回るパフォーマンスとは言えません。
ただ、ヤマハ発動機と大塚HDの本日の動きは急に良くなっているようにも見えます。3月期決算企業の権利落ち後に、これら12月本決算企業の株価が相対的に強くなるのかどうか、関心を持って対応します。
3月28日午後3時30分記