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「鉄道株上昇、海外景気よりも内需が安定」

「不動産株が反発、銀行経営問題心理のバロメーター」

「岡三証券ストップ高、"PBR1倍割れ企業の経営努力"に関心」

 

 

 

3月27日の日本株は小幅高となりました。

 

 

陸運(鉄道)、卸売(商社)、不動産業種が上昇しました。鉄道株の上昇は、銀行問題で揺れる欧米との比較感では、日本国内の景気が比較的底堅いとの観点から捉えられます。2月決算企業の決算発表がこれから本格化します。小売業の決算内容・株価の反応が注目されます。

 

 

商社株の上昇は、日本企業の配当面の魅力を意識した動きと受け止められます。

 

 

不動産については、この2週間で最も下落が目立っていた業種です。三菱地所や住友不動産は先週末に昨年来安値を更新しています。

 

 

住友不動産の株価は、3月10日~24日の間、取引日10日間のうち、上昇したのは17日の1日だけです。つまり、シリコンバレー銀行問題が発覚してから、住友不動産の株価はほぼ毎日下げていたことになります。

 

 

世界的な銀行経営に対する不透明感を受けて、今後、金融機関の融資姿勢が消極的になるとすれば、悪影響を受ける代表的業種は不動産業界です。そんな観点から、グローバル運用資金がポートフォリオにおける不動産業種の比率を低下させたと推測されます。それが、三菱地所や住友不動産新安値の背景要因と考えます。

 

 

24日の米国株式市場の業種別株価指数では、不動産の上昇率が公益に続いて2位となりました。過度な警戒感が一服したことが不動産株反発の背景要因でしょう。

 

 

不動産株は、世界的な銀行経営不安心理に対するバロメーターです。銀行経営への警戒感が強ければ、今後、再び不動産株は売られます。楽観的に変われば、不動産株はさらに戻ります。

 

 

                   ☆

 

 

今週は3月期決算企業の配当の権利付き最終日・配当落ちを迎えます。来年度の2024年3月期を見据え、企業側から体質強化への自助努力が活発になるか、今後の日本株の注目点です。

 

 

27日には岡三証券(8609)がストップ高となりました。同社は24日、28年3月期を最終年度とした中期経営計画を発表しました。この5年間において「PBR1倍を超えるまで、年間10億円以上の自社株買いを実施する」と発表しました。

 

 

同社の昨年12月末現在の1株純資産は844円です。先週末の株価は401円でした。本日はストップ高で481円まで上げました。まだ1株純資産までは距離があります。

 

 

仮に年間10億円の自社株買いを平均価格500円で実施すれば、年間200万株の自社株を購入可能です。現状の岡三証券の発行株式数は約2億株(自社株を除く)です。冷静に考えれば、需給面に与える影響は限定的かもしれません。しかし、投資家は資産効率を上げる姿勢を日本企業に求めており、その意思表示をする企業を評価します。

 

 

西華産業(8061)が27日、大幅高となりました。24日に2023年3月期の業績上方修正、増配(年間配当金70円→90円)を発表しました。

 

 

日本株は「好配当利回り」を要因として買われてきた面があるので、今週の権利落ちに伴って、一時的に下げる可能性は高いと考えます。ただ、権利落ちに伴う下落は典型的な一時的要因です。24年3月期以降の資産効率の改善、投資家向け還元アピールに力を入れる企業が増えてくるようならば、権利落ちを埋める時間も短くて済むと考えます。

 

 

3月27日午後3時10分記

 

 

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