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「半導体製造装置メーカーが軒並み高」

TSMCの24年設備投資計画維持を好感」

「ディスコの4-6月期営業利益165億円に減少(1-3月期312億円)、しかし、プライム市場の上昇率トップに」

 

 

 

4月21日の東京市場では、日経平均が取引時間中に付けた年初来高値(3月9日28734円)を更新しました。ただ、午後は伸び悩みました。

 

 

TSMCが20日に決算を発表、2023年の設備投資計画を据え置きました。事前に下方修正報道があったので、計画維持がサプライズとなって、20日の米国市場では、半導体製造装置メーカーの株価が軒並み高となりました。

 

 

半導体製造装置で強みを持つのが日本企業です。本日は、前日に決算を発表したディスコなど、半導体製造装置メーカーの株価が総じて上昇です。上昇率ランキングでも、ディスコ、タツモ、SCREENなど、半導体製造装置メーカーが並びました。

 

 

ディスコの4-6月期の営業利益は165億円と、1-3月期実績の312億円の半分近くに減る見通しです。しかし、株価は大幅高。良い決算とは言えないでしょうが、「悪決算発表で下がらない」ならば、空売りを入れていた投資家にとっては買戻しを入れる動機となります。半導体関連株の悪決算に備えて空売りを入れていたが、株価が下がらないので買戻し。そこに短期トレーディングマネーが押し寄せる構図です。

 

 

米国市場の半導体製造装置メーカーの株価上昇が、そのまま東京市場に"輸出"されました。ただ、冷静に考えれば「TSMCの設備投資計画維持」は、半導体関連株をどんどん押し上げる材料とは言えません。4-6月期の売上高を1-3月期比6%減少と見るTSMCにおいて、設備投資下方修正の可能性が消えた訳ではありません。

 

 

本日の半導体関連株の上昇が来週も続くか?――と問われた場合、否定的な答えを寄せる投資家も少なくはないでしょう。それが、午後の伸び悩みにつながりました。

 

 

もちろん、「今年の半導体調整は完全に悪材料として織り込んだ。半導体関連株は既に24年からの市場拡大を本格的に織り込み始めた」と考えるならば、話は別です。短期の市場調整を織り込んで、長期の成長を反映する段階に入ったのか、今後の決算内容・株価の反応は大切でしょう。

 

 

今の世界の株式市場は、たくさんの銘柄が同時に序章するような力はないと考えます。従って、もしも半導体関連株の投資資金吸引が予想以上ならば、他の株が上がりにくくなる、そんな動きも考慮する必要性があります。

 

 

4月21日午後3時20分記

 

 

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