「日本株反発、直近2か月はボックス圏」
「NEC新高値、東京計器も大幅上昇」
「防衛関連株への意識、高まるか」
「中国で7月の自動車生産が減少、EV生産は高水準続く」
8月15日の日本株は反発しました。前日の米国市場で半導体関連株が上昇しました。特に代表銘柄のNVDAの7%高が効きました。東京市場でも、半導体関連株を軸に買いが先行しました。
日経平均の今年の高値は6月19日の33772円です。日経平均はそれから約2か月、高値を抜けず、32000円~33500円のボックス圏に入っているように見えます。
こうした状況下では「投資家は投資対象に何を求めているか」を知るために「新高値銘柄」の顔ぶれを見ます。すかいらーく、トリドール、ワタミ、ゼンショー、サイゼリヤなど外食産業、内需関連株が多いように見えます。
世界景気への警戒感が高いので、比較的ブレの少ない内需関連株に投資資金が集まりやすいのでしょう。
本日、NEC(6701)が7月31日の高値を更新してきました。4-6月期の業績動向を評価した動きでしょうが、通信技術に秀でたNECの場合、防衛省向けのビジネス実績が評価されている面があると考えます。
防衛省向けのビジネスを展開する会社では、東京計器(7721)が7%高となり、年初来の高値を更新しました。
東京計器は4-6月期決算資料において、受注高が「受注高・受注残高とも、過去10年間の第1四半期で最高値を更新」としています。
東京計器の受注高
4-6月期 125億円(+31.8%)
船舶港湾 25億円(+13.8%)
防衛通信 44億円(+93%)
今回の日本企業の4-6月期決算において、「造船関連需要」と「防衛関連需要」の増加が確認されています。東京計器はその2つの観点から受注が増加しています。決算資料には「防衛予算の増加により航空機用機器及び艦艇用機器の需要が大幅に増加、海上保安庁向け新規案件の受注獲得、受注高、受注残高ともに大幅増加」と記載されています。
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中国国家統計局は15日、7月の重要経済指標を発表しました。まず、小売売上高です。前年同月比で+2.5%です。時系列で示します。
3月 3兆7855億人民元(+10.6%)
4月 3兆4910億人民元(+18.4%)
5月 3兆7803億人民元(+12.7%)
6月 3兆9951億人民元(+3.1%)
7月 3兆6761億人民元(+2.5%)
前年同月と比べた増加率が6月と比べて低下しています。絶対水準も6月と比べて、減少しています。強い数字とは言えません。
商品別では、自動車が1.5%減少、化粧品が4.1%減少、宝石類が10%減少でした。一方で、外食は15.8%増加、アルコール類も7.2%増加しました。
次に工業生産高です。7月は前年同月比3.7%増加です。
3月 +3.9%
4月 +5.6%
5月 +3.5%
6月 +4.4%
7月 +3.7%
自動車生産台数と新エネルギー車生産台数を以下に時系列で掲載します。
中国の自動車生産台数
3月 260万8000台(+11.2%)
4月 201万8000台(+59.8%)
5月 230万7000台(+17.3%)
6月 256万4000台(+0.8%)
7月 232万4000台(-3.8%)
中国の新エネルギー車生産台数
3月 66万8000台(+33.3%)
4月 58万6000台(+85.4%)
5月 67万5000台(+43.6%)
6月 74万9000台(+27.6%)
7月 75万2000台(+24.9%)
7月の自動車生産は勢いが落ちています。新エネルギー車生産は高水準です。
7月のパソコン生産台数は2642万台(-22.3%)でした。スマートホンは8880万台(+1.6%)でした。PCと比べると、スマホは底堅くなっています。
8月15日午後3時10分記