「決算内容を重視した売買が活発」
「ダイキンが大幅安。6月末在庫が重石」
「アシックス、ミズノが急騰、スポーツ用品メーカー大幅高」
「資生堂が高い」
「中国ビジネス好調企業も存在→株高」
8月9日の東京株式市場は、決算内容を重視した個別株売買が活発な状況でした。
ダイキン(6367)が大幅安です。8日に発表された4-6月期の営業利益は1179億円(前年同期比+9%)となりました。増益決算ですが、株価は大幅安の反応となりました。今後の業績にとって、在庫水準が重石になると考えられます。
ダイキンの在庫(商品及び製品)
2023年6月末 7352億円
2023年3月末 6683億円
2022年6月末 5072億円
2022年3月末 4509億円
6月末在庫は7352億円と前年同期の5072億円に対して約45%増加しています。ちなみに「商品及び製品」になる前の段階の「原材料及び貯蔵品」も2762億円と前年同期の2165億円に対して27%増加しています。
コロナ禍のサプライチェーン混乱の中で在庫を厚めに持つ企業が増加しました。サプライチェーンの混乱が収まり、現在は在庫を健全化させる動きが強まっています。「在庫健全化→新規発注鈍化」が製造業全般の業績を圧迫しています。
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9日の東京株式市場では、前日に4-6月期決算を発表したアシックス(7936)、ミズノ(8022)の両スポーツ用品メーカーがともに大幅高です。
アシックスは8日、23年12月期の営業利益を従来の370億円に対して460億円に上方修正しました。地域別営業利益では「日本地域」と「中華圏」の営業利益が拡大しています。
アシックスの地域別営業利益
日本地域
1-3月期 47億円(3.2倍増)
4-6月期 32億円(2倍増)
中華圏
1-3月期 45億円(+24%)
4-6月期 39億円(+70%)
日本と中国地域のスポーツ用品需要増加を受けて、アシックスは上方修正を発表、株価は大幅高です。
ミズノの発表した4-6月期営業利益は53億円(+40%)となりました。ミズノは日米欧アジア地域の営業利益がまんべんなく増えました。
資生堂の株価も大幅高です。1-6月期のコア営業利益が280億円(前年同期比約6割増)でした。資生堂もアシックス同様に中国地域の業績が好調です。
資生堂の中国売上高(2019年比)
1-3月期 +10%
4-6月期 +43%
資生堂の中国地域のコア営業利益(6月上半期)
55億円(前年同期の20億円の赤字に対して75億円改善)
中国のコア営業利益の大幅改善が全体をけん引しています。中国の景気に対して「悪い悪い」の声が盛んですが、企業業績面では中国事業がけん引役になっている日本企業も数多く存在します。
8月9日午後3時記