外国人経営者の起用~何を期待?

日本の大手企業で外国人をトップに迎えるケースが見られます。
2000年の日産自動車のカルロス・ゴーン氏の例は印象的でしたが
実は1990年代後半からこのような動きが見られるようになってきており
マツダは1996年~2003年8月まで4人
日産自動車は2000年~現在も
三菱自動車は2002年~04年
これらは各社経営危機に陥って外国企業から支援を受け、経営立て直しのために外国企業からトップが送り込まれてきたというケースです。
そして2000年代半ばになると、日本企業が外国の企業を買収して世界へ攻めて行くために、大きな企業の経営に長けた外国人社長を迎えるケースが見られるようになりました。
ソニーは2005年~12年まで
日本板硝子は2008年~12年まで2人
ただ、外国人トップを迎えて上手くいったケースは日産くらい。
マツダは失敗とは言わないまでもアメリカのフォードが資本を引き揚げたとともに経営陣も引き揚げて、今は好調になっていますが
そのほか、三菱自動車は低迷が長引き大変な状況が続きました。
日本板硝子は2人の外国人社長を迎えましたがともに失敗。ソニーも上手く行きませんでした。
このように失敗例が目立つ中、武田薬品工業が、今年6月に外国人社長を迎えることを決めました。
今日は、日本経済新聞社 産業部編集委員の安西巧さんに、「外国人経営者の起用~何を期待?」というテーマでお話を伺いました。
武田薬品工業は、日本最大の製薬会社ですが、世界ではまだ14位。世界第1位に比べ売上高は3分の1でしかありません。
そこに追いついていきたいのですが、医薬品の特許が一斉に切れて薬の値段が下がり、経営を圧迫する傾向。
そこで、グローバルな販路拡大を目指して
2008年にアメリカのミレニアム・ファーマシューティカルズ、2011年にスイスのナイコメッドの2社を2兆円を投じて買収しました。
この買収により、売上高は1兆3千億円から1兆6千億円へと増えましたが、2兆円もかけたのだからもう少し収益を上げたいところです。
それなら日本人社長よりも外国人社長を迎えた方がよいと考えたわけで、「攻め」のケースにあたります。
もともと武田薬品工業は上級役員会の9人のうち5人が外国人の社外役員を起用していて、取締役会の国際化を進めていました。
今回、フランス人のクリストフ・ウェバー氏をグラクソクラインからスカウトし、更に国際化を一歩進めた形になります。
しかし、外国人経営者を迎えることの問題点は大きく2つあって
まず、年功序列を重んじることや終身雇用制度などの日本の企業風土に外国人経営者がなじめないこと。
言葉の壁などもあり、ホームシックになった例もあります。
日本板硝子のスチュアート・チェンバース氏が「イギリスにいる息子に会いたい」と1年余りで辞任したことは話題になりました。
そして報酬が高いということ。
去年の日本企業の報酬ランキングを見ると、1位は日産のカルロス・ゴーン氏の9億8800万円。
そして実は、そのあと2位~4位までを武田薬品工業の社外取締役が占めているのです。
資生堂のように、業績連動制を採用し、外国人経営陣が日本人社長より4倍高い報酬を得ている例もありますが、これは業績を上げている良い例であって
ソニーのように外国人経営者に8億6300万円の報酬を払った年に2600億円の赤字を計上していた...という問題のある例もあります。
武田薬品工業のケースが吉と出るか、兆と出るか、注目されます。
安西さんの詳しい解説はオンデマンド放送でお聴きくださいね!

2014/03/03(月) 23:45 山本郁 記事URL

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