岸田恵美子
今週のニュースファイルは、
(1)
1990年代に若者向け音楽の発信地として人気を集めた東京・渋谷のCD販売店、HMV渋谷が閉店し、無料のライブイベントに音楽ファンが詰めかけました。小沢健二などのミュージシャンを積極的に紹介したことから、 “渋谷系音楽”という言葉まで生まれたましたが、最近ではインターネットによる音楽配信に押されて売り上げが落ち込んでいました。
(2)
JR西日本とJR九州が来年春に相互直通運転を始める山陽・九州新幹線で、新大阪―鹿児島中央間を3時間47分で結ぶ列車を投入する方向で最終調整していることが分かりました。運賃は同じ区間の航空機と同じ水準とし、ビジネス客の取り込みを狙います。
(3)
アメリカの景気の先行きに不透明感が広がっています。住宅関連を中心に市場の予想を大幅に下回る経済指標の発表が相次ぎ、「住宅市場の二番底は避けられない」との見方が台頭しました。夏期休暇中のオバマ大統領は、急遽、ガイトナー財務長官、サマーズ国家経済会議委員長ら経済政策を担当する主要スタッフと経済情勢について電話で協議しました。
(4)
アメリカの景気不安を背景としたドル売りと、政府・日銀による円売り介入に否定的なコメントを受けた円買いから、円相場は一段高となり、一時、15年ぶりの高値をつけました。日経平均は、これを嫌気して1年4ヶ月ぶりに9000円を割り込み、政府・日銀に対して「無策の円高・株安」との批判が相次ぎました。野田財務大臣は、「必要な時に適切な対応を取らなければならない」と語り、市場の安定のためには円売り・ドル買い介入も辞さない考えを初めて示しました。
(5)
フランスのサルコジ大統領は、各国の駐フランス大使を招いた外交演説で、「不安定な外国為替相場は世界の成長の脅威となる」などと語り、フランスが議長国をつとめる来年のG8サミットとG20サミットで、外国為替市場の安定を主要議題とする意向を表明しました。
(6)
高齢者所在不明問題の発端となった東京都足立区は、高齢者の所在確認調査の対象を、これまでの100歳以上から90歳以上に広げると発表しました。早ければ来月13日から、民生委員が訪問調査します。足立区では、今年7月に書類上では「111歳」の高齢者の遺体が見つかり、区は既に住民票を削除しています。
(7)
トヨタ自動車は、世界で販売する乗用車の燃費を2015年度に2009年度比で5%向上させるとの計画を発表しました。トヨタが燃費目標を公表するのは初めてです。ハイブリッド車の累計販売台数を2010年代初頭にも500万台に増やすほか、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車や電気自動車も拡充します。
(8)
インターネット検索最大手、アメリカのグーグルは、パソコンを利用して固定電話や携帯電話と通話できるサービスをアメリカで始めたと発表しました。アメリカ国内とカナダへの発信は年内は無料で、国際電話の料金も割安に設定しました。同様のサービスではルクセンブルクのスカイプが先行しており、グーグルの参入により競争が激化しそうです。
(9)
民主党の小沢・前幹事長は、9月の代表選に立候補することを表明しました。鳩山・前総理との会談で鳩山氏が小沢氏を支持する考えを伝え、小沢氏は会談後、記者団に対し「代表選に出馬する決意をした」と語りました。9月1日告示、14日投開票の代表選は、菅総理と小沢氏の一騎打ちとなる見通しです。
今週のポイントは、
(1) 民主党代表選・小沢前幹事長出馬表明をこう見る
(2) 政府・日銀の円高放置をこう見る
(3) 米景気不安の深刻度
今週の気になる作品は、
ワンセグ用チューナー・レコーダー『ARecX6』(ソフィア・デジタル)
Check the Tomorrow :
8月30日(月)
・米7月個人所得・支出
・米7月PCEコアデフレータ
・英国市場休場(バンクホリデー)
8月31日(火)
・7月鉱工業生産(速報)
・7月商業販売統計
・7月住宅着工
・7月建設工事受注
・米6月S&Pケースシラー住宅価格指数
・米8月シカゴ購買部協会景気指数
・米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米FOMC議事録(8/10開催分)
・ブラジル7月鉱工業生産
・インド4−6月GDP
9月1日(水)
・8月新車販売
・米8月ADP雇用統計
・米8月ISM製造業景況指数
・米7月建設支出
・米8月国内自動車販売
・ブラジル8月貿易収支
・ブラジル中銀金融政策発表
・中国8月製造業PMI
・豪4−6月GDP
9月2日(木)
・米7月製造業受注
・米8月チェーンストア売上高
・ECB理事会
・ユーロ圏4−6月GDP(速報)
9月3日(金)
・4−6月法人企業統計
・米8月雇用統計
・米8月ISM非製造業景況指数
・ブラジル4−6月GDP
・ユーロ圏7月小売売上高
・中国8月非製造業PMI
岸田恵美子
今週のニュースファイルは、
(1)
内閣府が発表した今年4~6月期GDPの速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前の期と比べてプラス0.1%、年率換算ではプラス0.4%にとどまり、1~3月期のプラス4.4%から大幅に鈍化しました。景気の先行き不透明感が強まり、政府・与党内では、9月末で期限切れとなるエコポイント制度を延長するなどの追加経済対策が浮上しています。
(2)
4~6月期のGDPが大幅に鈍化した結果、足下の経済規模で中国が日本を上回った模様です。内閣府の試算によりますと、ドル換算した4~6月期のGDPは、日本の1兆2883億ドルに対して中国は1兆 3369億ドルとなっています。
(3)
主に10代後半から20代前半の女性に人気の東京・渋谷駅前のファッションビル「SHIBUYA109」を運営する東急モールズデベロップメントは、2012年度をめどに、別館の「109—2」通称「キューツー」を、男性向けの衣類や雑貨などを専門に扱うメンズ館に衣替えします。現在、「キューツー」を訪れる男性の客単価はおよそ1万4000円で、女性のおよそ3000円を大幅に上回っています。
(4)
総務省は、2012年春にも始まる携帯端末向けの新しい放送の基地局をつくるインフラ事業者の内定を見送り、総務大臣の諮問機関である電波監理審議会に決定を委ねました。事業者選定を巡っては、NTTドコモとKDDIが1つの枠を競っており、民主党などから選定過程について異論が出るなど審議が難航しています。電波監理審議会の東大名誉教授・原島博会長は記者会見で「非常に重要な諮問。国民の目から見て、公明正大に結論を出していく」と語りました。
(5)
セブン&アイ・ホールディングスは、傘下のコンビニ、セブン―イレブン・ジャパンの店舗で、来春から「Suica」「PASMO」など交通系の電子マネーを利用できるようにすると発表しました。セブンイレブンでは独自の電子マネー「ナナコ」のほか、「エディ」「クイックペイ」「アイディ」を導入済みで、対象を拡大することで来店客の利便性を高めます。
(6)
日本電産は、アメリカの電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収すると発表しました。永守重信社長は、記者会見で「円高進行で日本経済には暗いニュースが多いが、こういう会社を安く買えるというメリットもある」と語りました。
(7)
インターネット証券大手の楽天証券が今月6日~16日に顧客向けのホームページ上で実施したアンケートで、調査に応じたおよそ6200人の7割が、東京証券取引所の昼休みの撤廃・短縮に「賛成」と回答しました。東京証券取引所は、来月10日まで、取引時間の延長について4案を提示して意見を公募しており、年内に結論を出す予定です。
(8)
イラク駐留アメリカ軍の最後の戦闘部隊が撤収を開始しました。今後はイラク国内にとどまるおよそ5万人のアメリカ軍が、イラク軍を支援します。オバマ大統領は、マイアミで開いた民主党のパーティーで「イラクでの戦闘任務は終わる」「大統領選を戦い始めた時の私の約束を、我々は守ってきている」と述べ、公約を実行に移した実績を訴えました。
(9)
民主党の鳩山・前総理を支えるグループが、長野県軽井沢町で研修会を開き、小沢・前幹事長を含むおよそ160人が出席しました。小沢グループの出席者からは、来月14日の民主党代表選での小沢氏擁立を求める声が相次ぎましたが、小沢氏本人は出馬について何も語りませんでした。
(10)
交通実態に合わせて高速道路の規制速度を設定できるようにするため、警察庁は、交通規則基準を改定することを決決定しました。「実際のスピードと 規制が乖離している」との指摘を受けたもので、制限速度が上限の時速100キロを下回る場合、可能な区間で規制速度が引き上げられます。
今週のポイントは、
(1) 最近の景気減速にエコポイント制度の延長は得策か?
(2) 円高は続くのか?〜政府・日銀のスピード感の欠如について
(3) 民主党内の駆け引きをこう見る
今週の気になる作品は、
書籍『ipad on business』(大木豊成/翔泳社)
Check the Tomorrow :
8月23日(月)
・7月スーパー売上高
・米7月シカゴ連銀全米活動指数
8月24日(火)
・米7月中古住宅販売件数
・米シカゴ連銀総裁講演
8月25日(水)
・7月貿易収支
・7月企業向けサービス価格指数
・米7月耐久財受注
・米7月新築住宅販売件数
・米6月FHFA住宅価格指数
8月27日(金)
・8月都区部/7月全国消費者物価
・7月家計調査
・7月労働力調査
・米4ー6月GDP(確報)
・バーナンキ米FRB議長講演
8月28日(土)
・日中ハイレベル経済対話
岸田恵美子
今週のニュースファイルは、
(1)
財務省が国際通貨基金の基準に沿って発表した今年6月末の国債や借入金などを合わせた「国の借金」は904兆772億円となり、900兆円を初めて突破しました。
(2)
財務省が発表した国際収支統計によりますと、6月の中国による日本国債の買越額は4564億円となり、今年上半期の買越額は累計で1兆7326億円にのぼりました。ヨーロッパの財政危機や アメリカ景気の先行き不安から、中国当局が短期債を中心に資金を日本にシフトさせているとみられます。
(3)
高成長が続く中国経済に減速感が出てきました。ヨーロッパの財政危機をきっかけに輸出の先行きに懸念が広がり、工業生産の伸びが鈍っています。4~6月期まで3四半期連続で2けた成長を記録したGDPは、年後半に8%〜9%台に減速するという見通しが浮上しています。
(4)
ネット上でパソコンのデータを保存できるクラウドコンピューティングを手がけるアメリカのエバーノートは、今年7月上旬にサーバー障害から一部の利用者のデータが正常に保存されなかったことを明らかにしました。影響を受けた可能性があるのは、350万人の全ユーザーのうち6323名で、その全てに対し報告と謝罪のメールを送り、無償で1年間、サービス内容をアップグレードしました。
(5)
菅総理大臣は記者会見で、民主党が去年の衆議院議員選挙のマニフェストに盛り込んだ重要政策について「財政の制約で実行が難しいもの、修正が必要なものはその理由を説明し、理解をもらう努力を含め、誠実な対応をとっていきたい」と語りました。
(6)
100歳以上の高齢者の所在不明が相次いでいる問題で、神戸市は、住民登録された100歳以上の高齢者のうち、105人の 所在が分からないと発表しました。あらためて訪問調査や周辺住民らへの聞き取りを実施します。
(7)
トヨタ自動車の品質問題を調査しているアメリカ運輸省は、「現時点でトヨタ車の電子制御システムに問題は見当たらない」との中間調査結果を公表しました。これに対しトヨタは、「当局の調査結果は確認できないが、自社調査でも電子制御システムに問題は見つかっていない」とのコメントを発表しました。
(8)
日銀は金融政策決定会合を開き、超緩和政策の変更を見送りました。白川総裁は記者会見で、景気のリスク要因について「7月の決定会合では不確実性が高いもののおおむね上下のリスクがバランスしていると判断した。今回も前回までの判断を大きく変える材料はない。さまざまな動きが生じているだけに注意深く点検していく」と語りました。
(9)
FRB=アメリカ連邦準備理事会は連邦公開市場委員会を開き、金融危機以降に買い取った政府機関債や住宅ローン担保証券の満期が到来した際に、元金をアメリカ国債に再投資する措置を打ち出し、事実上の金融緩和を決定しました。資金供給量を緩和状態で維持することで、デフレ懸念に対応する姿勢を示したものと見られます。
(10)
政府・日銀は急激な円高や株価の下落に対応するため、具体策の検討に入りました。野田財務大臣は、記者団に、急激な円高・ドル安について「日銀と緊密に連携していきたい」と述べ、金融政策を担当する日銀と連携していく考えを強調しました。日銀の白川総裁も「国内経済への影響を注意深くみていく」との談話を発表しました。
今週のポイントは、
(1) 今週のマーケットをこう見る
(2) 米中間報告「トヨタの電子制御に問題なし」にどう対処すべきか?
(3) Evernoteのデータ消失トラブルに思う
今週の気になる作品は、
書籍『大阪 地名の由来を歩く』(若一光司/ベスト新書)
Check the Tomorrow :
8月16日(月)
・4ー6月GDP(速報)
・7月首都圏新築マンション販売
・6月第3次産業活動指数
・米8月NY連銀製造業景気指数
・米8月NAHB住宅市場指数
・インド7月卸売物価
8月17日(火)
・米7月生産者物価
・米7月住宅着工件数
・米7月鉱工業生産・設備稼働率
8月18日(水)
・6月景気動向指数(改定)
・7月日本製半導体製造装置BBレシオ
8月19日(木)
・6月全産業活動指数
・米8月フィラデルフィア連銀指数
・米7月コンファレンスボード景気先行指標総合指数
・7月北米半導体製造装置BBレシオ
8月20日(金)
・7月コンビニエンスストア売上高
8月21日(土)
・豪総選挙
岸田恵美子
今週のニュースファイルは、
(1)
アラブ首長国連邦は、スマートフォン「ブラックベリー」を使ったメールやウェブ閲覧のサービスを、治安上の問題から10月11日で停止すると発表しました。当局によるメール検閲が難しいことが規制の理由とみられます。サウジアラビアも一部の機能の停止を指示しました。
(2)
菅総理大臣は、衆議院予算委員会の質疑で、経済財政運営について 「予算編成の中で経済、財政、社会保障の3つの改革を実現し、雇用拡大を通して経済成長を図り、デフレから脱却する」と語りました。
(3)
アメリカのIT大手が教育分野への製品・サービス供給を強化しています。インターネット検索最大手のグーグルは、公立学校にネット経由でソフトやサービスを提供するクラウドコンピューティングで州政府と提携しました。ヒューレット・パッカードHPも、学校用の低価格パソコンを発売しています。教育分野で拡大するIT投資を取り込むとともに、「未来の顧客」となる若年層の市場を開拓する狙いがあります。
(4)
NTTドコモと大日本印刷は、電子書籍事業で提携し、10月末から11月をメドにサービスを始めると発表しました。大日本印刷が出版社などから雑誌やコミックなどのコンテンツを集めてデジタル化し、ドコモが販売する専用端末やスマートフォ ンに配信します。配信から課金まで一貫して手掛ける共同事業会社の設立も検討します。
(5)
長期金利が低下し、新発10年物国債の利回りは、およそ7年ぶりに1%の大台を一時割り込みました。国内景気の先行き不透明感から、銀行などが安全資産とされる国債に資金をシフトしたことが要因です。
(6)
100歳以上の高齢者の所在が不明となっているケースが全国各地で相次いで明らかになりました。仙谷官房長官は記者会見で「個人情報の保護の問題も把握の阻害条件に使われているなら、考えないといけない」「『失踪宣言』が 出てないために年金が支払われている場合があるなら、法改正も含む何らかのものが必要だ」と語りました。
(7)
ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカで起きたトヨタ自動車のリコール問題で、アメリカ運輸省がトヨタに有利になる調査結果の公表を意図的に避けていたと報じました。トヨタ車の調査に当たった運輸省・高速道路交通安全局の元幹部の証言として実名で伝えたもので、調査した23台全てでブレーキが踏まれた記録がなく、ブレーキが効かなかったと訴えたドライバー全員がブレーキとアクセルを踏み間違えていたと報じています。
(8)
通信ベンチャーの日本通信は、現在、国内ではソフトバンクの回線でしか使えないアップルのスマートフォン「iPhone4」を、NTTドコモの回線で使うサービスを開始します。「SIMカード」と呼ばれる電話番号などの契約者情報を記録したICカードで、ドコモの回線に対応したものを今月中にも発売し、輸入したSIMカードフリーの「iPhone4」に差し込んで使います。
(9)
ロシアのプーチン大統領は、旱魃による不作にみまわれたロシア産小麦の輸出を当面、禁止する措置を打ち出しました。これを受けて、シカゴ商品取引所の小麦先物相場は、9月渡しで前の日に比べ60セント高の1ブッシェル=7・856ドルに急騰し、終値としては2008年8月28日以来、およそ1年11か月ぶりの高値をつけました。
(10)
ホテルオークラは、日本航空傘下のJALホテルズの株式の79.6%を日本航空インターナショナルから取得すると発表しました。海外展開で先行するJALホテルズを傘下に収め、規模拡大で利益拡大を図ります。
今週のポイントは、
(1) 長期金利1%割れと円高の併存をこう見る
(2) シカゴ小麦先物相場の急騰をこう見る
(3) 相次ぐ高齢者の所在不明に思う
今週の気になる作品は、映画『インセプション』
Check the Tomorrow :
8月9日(月)
・7月景気ウォッチャー調査
・日銀政策決定会合(10日まで)
8月10日(火)
・7 月工作機械受注(速報)
・日銀総裁記者会見
・米4−6月非農業部門労働生産性
・米4−6月単位労働コスト
・米6月卸売在庫
・米FOMC
・中国7月貿易収支
8月11日(水)
・6月機械受注
・7月国内企業物価指数
・米6月貿易収支
・英中銀インフレ報告
・中国7月生産者物価/消費者物価/小売売上高/鉱工業生産/固定資産投資
8月12日(木)
・6月鉱工業生産(確報)・設備稼働率
・7月消費動向調査
・インド6月鉱工業生産
8月13日(金)
・米7月消費者物価
・米7月小売売上高
・米8月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
・米6月企業在庫
・ユーロ圏4−6月GDP(速報)








