赤坂朗読サロン「8月5日放送分」

87歳、福島出身の内藤セツコさんが自作の詩を読み語る。幼い日、高く積もった雪道から届きそうな空を、黒い電線が走っていた。「あの電気は東京へ行くのや。東京の夜は昼のように明るいのや」そう言いながら祖母はランプを磨いていた。今、東京の片隅で電気に囲まれながら、彼女は使いこなせない文明に老いを噛みしめて途方に暮れる。