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スウェーデン王立アカデミーは6日、2021年ノーベル化学賞に、北海道大学特任教授(化学反応創成研究拠点主任研究者)で、ドイツ・マックスプランク研究所(石炭研究所長)のベンジャミン・リスト氏と、プリンストン大学教授のデビット・マクミュラン氏に授与すると発表した。

両氏による、新しい有機触媒(不斉有機触媒)による分子合成の技術発展で、医薬品研究の発展に大きな寄与をした功績が認められた。不斉有機触媒は従来の金属錯体触媒と比較し,安定で取り扱いが容易なことや,有害な金属を含まないため環境にやさしい触媒と目されている。

ベンジャミン・リスト氏、1968年ドイツ・フランクフルト生まれ。1997年 ドイツ・ゲーテ大学フランクフルト校にて博士号取得。ドイツ・マックス・プランク研究所(石炭研究所長)。北海道大学化学反応創成研究拠点では、反応設計有機触媒による新反応開発・小分子を研究するベンジャミングループの主任研究者を務める。「新しい反応」の開発、有機触媒の開発のための新しい原理設計と実証、プロリンなど既に知られている触媒の適用範囲の拡大、天然物および医薬品の合成における有機触媒の活用、ならびに有機触媒が気質を活性化するメカニズムの研究チームのリーダーを兼務する。

デビッド・マクミラン氏は、1968年、イギリス・ベルズヒル生まれ。1996年 カリフォルニア大学アーバイン校にて博士号を取得。現在、プリンストン大学教授。マクミュラン触媒と呼ばれるイミダリジノン骨格を持つ不斉触媒の設計、開発を行い、様々な不斉合成の開発を行ってきた。


また、ベンジャミン・リスト氏のノーベル賞受賞の報で、北海道大学の関係者からは、下記のように、コメントをいただいています。

同大学化学反応創成研究拠点長・前田 理氏
ベンジャミン・リスト先生のノーベル化学賞ご受賞の報を受け,ただただ興奮しています。リスト先生には,我々ICReDDが掲げる計算と情報を用いて有機合成を革新するという理念に共感していただき,2018年のICReDD創設以来,主任研究員としてご参画いただいています。同僚として,そして,ICReDDの拠点長として,リスト先生のご受賞をよろこび,祝福しております。

同大学化学反応創成研究拠点特任助教・辻 信弥氏(リスト・ベンジャミン氏と同じ研究チーム)
先ほどノーベル化学賞の受賞の一報を受け、驚くとともに非常に嬉しい気持ちで一杯です。
リスト先生は私の博士課程の指導教員でもあり、約7年ご指導頂いております。現在は北大の特任教員として、リストグループのCo-PIとして勤務しております。
有機分子触媒という分野に対する彼の多大な貢献に敬意を表するとともに、今回の受賞にあらためてお祝いの気持ちを述べさせていただきます。

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